店頭で化粧品、サプリメントなどの販売をしていました。基礎化粧、コスメは口頭で成分や使用方法を説明するほか、サンプルを用いり、実際に手になじませ使用感を感じていただき、顔のクレンジングから基礎化粧でのお手入れ、メイクまでタッチアップし、お客様に合った商品の提案をしていました。毎日の店内の清掃、品出し、売り場作りもしていました。

この会社に入社前に、服飾販売やセラピストの仕事をしていました。セラピストとして働いていた会社の給料や待遇がとても悪くてこのまま続けていくのは難しく、将来のこと、自分のやりたい事を考えていた時に知ったのがメイクセラピーというものでした。これは、心理カウンセリングの手法を取り入れたメイクアップ技法で、なりたい自分になるための印象を変えるメイクアップです。これを知ったとき、メイクによって自分に自信がついたり、落ち込んでいた気持ちを上向きにさせるなんて素晴らしい！自分も人をメイクで勇気づけたい！と思い、美容業界に進もうと思ったのですが、店頭販売だと商品を売っているだけで、自分のやりたい事とは違いました。それでも大手メーカーで安心、給料は良く、化粧品は好きだったのですが、仕事にやりがいはありませんでした。店の売上げ目標はありましたが、達成させるための工夫や努力はなく、ただ送られてきた商品を並べ、商品を売るだけの毎日。先輩社員の話を聞くと、頑張ればキャリアアップ出来るそうでしたが、結婚しても多忙、育休などは取りにくいようで、続けるにはプライベートが犠牲になるように感じ、プライベートと仕事のバランスが取れ、将来的に続けやすい仕事を考えるようになりました。

スキンケア商品、メイク品は好きだったので、好きな物に囲まれて仕事をすることは気分が上がりました。商品の特徴を覚え試してみることは楽しかったです。

仕事を辞めて1カ月位、様々な職種の情報を集めたり、とにかく面接に行ったりしてみましたが、企業に就職しても今までと変わらないと感じ、短大の時に取得した保育士資格を活用しようと思いました。インターネット（タウンワーク）で保育士の求人を探し、自宅からの距離や未経験者可など自分の条件に合った保育園を見つけましたが、募集方法が派遣でした。短大を卒業してから数年経ち、保育の仕事が不安だったので、相談に乗ってくれたりフォローがある派遣の方が安心かもしれないと思い派遣登録しました。保育園の面接には派遣担当の方も同席して頂き無事に採用されました。そして働き始め1カ月しないうちに、人員が足りないからと園に声をかけてもらい直接雇用してもらいました。

保育士の資格は持っていましたが、業務経験がなかったので、自分を採用してくれる所なら頑張って仕事を覚え、経験を積もうと思いました。最初の担当クラスが0歳クラスで、単純に赤ちゃんたちが可愛かった、ということも理由です。パートで子育てしている先生もたくさんいたので、自分も結婚・出産しても続けていきたいと思い決めました。

朝、保護者からお預かりする時に体調確認などをし、朝は０～5歳クラス合同で自由遊びをするので子どもの様子の見守り、遊びの援助などをします。9時くらいからは各クラスに分かれるので、担任している子どもと遊んだり、活動したりします。乳児クラスですと、おむつ替え、ミルク作り、授乳、着替えなど身の回りのお世話をします。2歳児クラスまでは毎日お便り帳にその日の出来事、エピソードなどの記入を子どもの昼寝の時間を使って記入します。また、年齢によって違いもありますが、年間・1カ月・毎週記入する書類があったり、制作物の準備、行事の準備なども昼寝の時間や、勤務時間前後を使って行っていました。

保育業界は女の世界で人間関係が面倒くさい、というイメージがあったので身構えていましたが、年が近い先生とも仲良くなれ、年上のベテラン先生達は親切で色々と教えてもらい、仲良くさせてもらいました。もちろん、そういう人ばかりではなかったのですが…。

保育業務に関しては、子どもと信頼関係を築くこと、気持ちを汲み取ること、体調管理などは、毎日の積み重ね、経験を積んでいかないとわからないことだらけでした。自分から積極的に声掛けや、スキンシップを取ろうとしても受け入れてくれない子もいますし…。風邪や感染症などの症状も、その頃は子育て経験もなかったので、体調の変化もわかりませんし、他の先生から教えてもらっても対処法もわからなかったので、常に勉強というかんじでした。しかし、保育は辛いとは思いませんでした。辛かったことは長時間の拘束です。社会人として期限内に仕事を終わらせるのは当然だと思いますが、仕事が終わっても帰れなかったです。上司に自分に出来る仕事はあるかと聞いてもないと言われますが、上司が帰るまで帰れませんでした。遅いときは24時近くまで残されたこともあるので、何度か抗議をしたり、無視して帰ったこともありますが、そのあとは呼び出しされて小言を長時間言われたり、子どもの昼寝時間を使って全職員の前で説教されたりしました。改善される気配はなく、エスカレートしているように感じ、この職場も退職しました。

子どもの年齢、発達状況に合わせた遊びや援助方法を考え、出来なかったことが出来るようになったり、その子の自信につながり、楽しく園生活を送っている姿を見ることです。子どもは毎日成長しますし、こちらも毎日色々な遊びの工夫や、接し方を考えますので、経験すればするほど自分の保育の引き出しが増えます。書類も記入の仕方がありますが、どんどん記入するのが上手くなっていき、スキルが上がっていくことを実感できます。運動会や発表会などの行事に向かって子どもと毎日楽しみながら練習し、本番を無事終えた時や（ハプニングもありますが）、自分がリーダーになって行事の準備・進行をし、全体をまとめた時に達成感を感じます。そして何より保護者の方に感謝され信頼されていると感じること、子ども達の笑顔にやりがいを感じます。

失敗です。

仕事とプライベートを両立させ、結婚・出産があっても、産休・育休制度を利用し長く続けていきたいと考え保育の仕事を選びましたが、残業代は出ないのに強制的に異常な長時間強拘束があり、続けるのは難しかったので結婚出産を機に退職しました。出産し、子育てが落ち着くまでは専業主婦だったので、労働時間などがしっかり管理されている園であれば、出産まで働けたのかな、ボーナスもらえたのかな…と考えてしまいました。将来続けて行きたいと希望を持って就職し、長時間労働にも耐えてきたのに、何も残らず悲しくなりました。

保育の仕事で楽しいのは、子どもと触れ合い、反応を見ることです。こちらがこういう事言ったらどう反応するかな？なんて言い返してくるかな？こんな状況だったら驚くかな？怖がるかな？など子供の言動を楽しみます。子どもは大人が想像出来ないことをひらめきます。そしてとてもユニークです！仕事中でなくても、思い出し笑いしてしまうようなことばかりしてくれます。あとは、私がいた園は食育に力を入れていたので、給食が味も美味しく、野菜をたっぷり使っていて見た目もよく、日本の郷土メニューや行事に合わせたメニューも出してくれ、子どもは給食をたくさん食べていました。子どもは薄い味だと思いますが、大人に合わせて味も調整してくれていたので、毎日美味しく食べていました。給食を楽しみにするのもいいかもしれませんね。

ネットで求人を見つけすぐ就職を決めてしまいましたが、見学をし職場の雰囲気を見れば良かったと思います。他にもいくつか園を見学して比較したり、保育士関係者や保護者などの知り合いを探し、噂や口コミでもいいので情報を集めればよかったです。規則にある労働条件と実際は違うこと、職場環境を改善したいと思い動いても自分では変えられないこと…。不条理だと思いますが、自分は保育士として未熟だったので発言に説得力も影響力もなかったのだと思います。とても辛い思いもしましたが、現場で働く先生は本当に子ども思いで親切な先生ばかりで、以前いた園の話などを聞かせてもらうと、保育園すべてがこのような働き方ではない。プライベートの時間を取ることもできるし、産休・育休を使って復帰出来る園もある。人を大切にしてくれる先生や園に出会えれば保育の仕事は素晴らしい仕事です。