6年間勤めた中で、0歳児から5歳児までのクラス担任を受け持ちました。クラスの主担任や副担任をしながら子どものお世話をしたり、遊びを通して成長をサポートすることが一番の仕事ですが、時には子育てで悩みを抱えている保護者の相談にのったり、トラブル時の対応などもしました。
また、連絡帳の記入や個人の記録などの書類作成をしたり、備品管理や避難訓練などの行事を先頭になって計画する係活動などもありました。
また、外部講師による絵画、音楽、体操、ダンス指導がカリキュラムに組みこまれており、それらを学びながら外部講師と共に指導にも携わりました。

保育士という職業は小さいころからの夢でした。子どもと関わることが大好きで、家庭的な雰囲気の保育を理想としていました。
しかし、実際の保育士業務と思い描いていた保育士像とのギャップに戸惑いました。大きな保育園だったので、3歳未満児でも1クラス30名おり、ひとりひとりとゆっくり関わることが難しく、排泄に連れていくときは流れ作業的になってしまうこともあり、私が理想としていた家庭的な雰囲気の保育ではないなと思いました。
3歳児以上は絵画、音楽、体操、ダンスなど外部講師による指導がカリキュラムに含まれており、保育士はそれぞれ課題を与えられ講師が来る日までに子どもたちに指導し、仕上げておかなければいけませんでした。

遊びながらたのしく学ぶというよりも、プレッシャーのほうが強く、うまく指導できないと上司や講師にプレッシャーをかけられ、子どもにも厳しく指導しなければいけない場面もあり、精神的にきつく余裕がない日々でした。
とくに行事前は2人担任や1人担任になると、フリーの保育士がいなかったので、代わりにクラスに入れる人がおらず、なかなか休みが取りづらかったのも不満でした。
そういったことから、少人数でゆったりとした雰囲気の中で楽しく保育をしたいという気持ちが強くなり転職を決めました。

大きな保育園だからこそ、行事ごとは盛大で、やり遂げるごとにやりがいや達成感を感じ、自信をもつことができました。
音楽活動では、大きなフェスティバルやマーチング大会に参加するので、大きな舞台を経験し、自信をつけたくましくなっていく子どもたちの姿を見られることは担任ならではの特権だと思っていました。大変な経験もしましたが、今となれば6年間頑張ってきてよかったと思っています。

ハローワークに登録をして、いくつか求人を紹介して頂きました。ハローワークに保育園専門の方がおり、気になる保育園の特色や特徴など詳しく教えてくれました。
ネットで求人検索もできましたが、親身になって相談に乗ってもらえたので実際にハローワークで話を聞いてもらうほうが私は良かったです。

まず小規模の保育園を希望し、新設の保育園を提案されました。定員１２０名ですが最初の1年間は50名からのスタートということで、1年間はゆとりを持ちながらみんなで作り上げていこうというスタンスに惹かれました。
系列の保育園があるので母体はしっかりしていることと、数名の保育士が異動して来るということでしたが、同期も数名いたので人間関係は築きやすいと感じました。
家庭的な雰囲気を大事にしており、大人も子どもも「自律」を目指すことが保育理念で、学べることがたくさんあると思い入社を決めました。

主に、0・1歳児クラスの保育全般業務です。
私はクラス担任を任され、子どものお世話や保護者対応などをしています。ゆったりとした家庭的な雰囲気の中で食事・排泄・着脱などの介助を行いながら、自分でやってみようとする意欲を育てる言葉がけや、関わりをしながら「自律」につながる保育をしています。
また、ビックブックという絵本を通しての学びの活動があり、定期的な研修に参加しながら勉強しています。
前の保育園と違うところは書類やクラスだよりなどの作成がすべてパソコンになったところです。パソコンは触ったことがほとんどありませんでしたが、やっていくうちに慣れてきました。

ビックブックという園ならではの活動は奥が深く、土曜日を使って保育士研修に力を入れていたので、休日が少なかったことです。
また、書類などは持ち帰ることができないので、手当のつかない残業をしたり、休日も保育園に来て作成しなければいけません。
しかし、頑張れば頑張るほど評価してもらえるので、やりがいはありますし、学びは大きいです。

発達障害のある子の関わりや、保護者対応は難しいと感じます。
研修の中で、保育士が今困っていることを議題にしてくれてみんなで意見交換をしながら、悩みを相談したり、言いにくいことは園長が保護者に伝えてくれるなど、保育士間の連携、サポートがしっかりしており、心強いです。

子どもたちと信頼関係ができるとスキンシップを求めて甘えてくれたり、苦手なことも私の励ましにより頑張る姿をみせてくれると可愛いなと思います。
また、保護者から家庭でもこんなことができるようになったと教えてもらったり、困っていることなどを相談されると一緒に子育てに参加させてもらっていると感じられ嬉しく思います。
また、保育士の指導に力を入れているので、公開保育はもちろん、日々の保育の中でも園長・主任が保育を見に来て、改善したほうがいいところを助言してくれたり、実践して見せてくれるので大変な部分もありますが、成長できているなと感じています。

成功でした。

今までの保育観ががらりと変わり、それぞれの保育園で良いところ悪いところを客観的に知ることができました。
上司が尊敬できるので素直に学ぼうという姿勢になるし、自分もこういう人になりたいと思える保育士像に出会えたことは大きかったと思います。
海外の保育思想を取り入れているので、型にはまっていない考えも好きです。保育士教育にも理念でもある「自律」を意識しており、ひとりひとりが意見を持ち、新人でも意見を言って評価されるところが、素晴らしいなと感じます。
私は一つの保育園で学ぶよりも、いろいろな保育のやり方があることを知り、その中で自分の保育観を見つけて意見が持てたことが一番良かったと思っています。

この仕事は、感謝される仕事です。
つらいこともあるけれど続けていけばいつかはやっていてよかったと思える瞬間があり、やりがいを感じることができます。
とくに０・１・２歳児は日々成長が見られるので、楽しいですよ。私は「気持ちのゆとり」が大切だと思っていて、プライベートが充実していなければいい仕事ができないと考えます。
今、しんどいなと思っている人も気持ちにゆとりのある働き方ができる職場を見つけられたら保育士は楽しい仕事になると思います。

転職は怖くないということ。今まで築いてきた環境から出て、１から作り上げていくことに抵抗はありますが、それ以上に得るものがたくさんあって、経験は財産になると感じています。
マイナスなイメージではなく、ステップアップしていくための転職だと捉えているので、転職をしてよかったと思っています。