派遣先の施設に給食室があり、栄養士関連の事務作業やその他管理課内の事務。
毎日の献立の確認を含めた調理員の方とのミーティングや摂食指導の現場の立ち会い、手伝い等。
難しい業務はほぼなく、課内職員が都度丁寧に教えてくださいました。

これまでは幼稚園や保育園に従事してきましたが、転職活動中に転倒し左足を怪我してしまいました。
入院、手術、リハビリの段階を踏むことになり、この時はリハビリ中で保育の現場に復帰するにはまだ難しい時期でした。足に負担をかけない仕事ということで事務職を選択しました。人生で初めての事務職経験でしたが、本当に周囲の方に恵まれて根気良く教えてくださったことで、当時の業務を遂行出来たのだと感じています。
中でも印象的だったことは、パソコン操作が不慣れな私を熱心に指導してくださり、「ここでの経験は保育の現場に戻った時に必ず活かされるし、パソコン上手な人になれるよ」と励ましの言葉まで頂いたことです。
事務作業は黙々と取り組まなければならないため、時々退屈に感じていましたが前向きに捉えることで日々の業務が人生の勉強になりました。
職場環境は良かったですが、やはり派遣社員という不安定な仕事を続けていくことは不安でした。今回の配属先だった法人が療育センターを運営していたこともあり、福祉業界に興味を持ち療育センターでの就職を決意しました。

月に１度、「摂食クリニック」という発達障害児に詳しい歯科医師指導のもと理学療法士や作業療法士、栄養士が立ち会い、個々の発達に応じて摂食の指導を行なっていました。
介助の手伝いや指導方法、保護者からの聞き取りやお子さんの対応等、学ぶことが多かったです。

就業中に転職活動を独自で進めていました。数年前に転職サービスを利用して活動してきた時期がありましたが全てをアドバイザーにお任せするよりも、進みたい道が決まっていたこともあり、自分で情報収集して、取り組む方が合っていました。
過去に転職経験があったため、段取りや見通しがある程度分かっていたため、心配事があまり無かったからかもしれません。
試験は書類審査、筆記試験、面接と段階がありました。筆記試験は適性検査と小論文だったため、休みの日に小論文をイメージして、ネット上で議題を探して練習しました。

保育園や幼稚園の仕事を経験してきた中で、クラスの中にグレーゾーンと言われる発達が気になるお子さんに沢山出会ってきました。彼らに対して本当はどうやって対応したら良かったのか、正しい道筋はあったのかどうか等を振り返り、“療育”という分野に触れてみたいと思ったためです。

主な業務内容は、お子さんの特性に配慮した専門的な療育支援、就学先や必要機関との連携を含めた地域生活への支援、ご家族の不安の軽減などをする家族支援です。
配属先が週５日単独通園をするお子さん達をクラスで療育する現場だったため、療育中は活動や遊び、トイレの介助、着替えの援助、食事介助、通園バスの添乗、プール活動の指導、その他雑務など多岐に渡ります。
又、個々の発達に合わせた個別支援計画書は、お子さんの状態を評価して支援計画を立案するパソコン業務がありました。

専門的な分野であり福祉系大学を卒業している方が多く、保育短大卒では基礎知識不足だったこと。
毎日定時を過ぎることが前提になっており、時間を決めないで残業をすることが当然の職場でした。業務内容が多岐に渡り、日々の業務と並行して行事や委員会、研修などマルチタスクをこなすことが多く、慣れるまで時間がかかりました。

これまで異動を積極的に実施していなかったためか、各業務のマニュアルが整備されておらず、知ってる職員に聞かないと分からない業務がありました。
質問事項を教えていただいたら、メモをとりなるべく文字起こしをしてまとめました。又、可能な範囲で上司に相談し会議などで全体共有を行い、周知していけるようにしました。

月並みかもしれませんが、可愛い子ども達と生活を過ごす中で、成長を見守ることができることや保護者の方から「担任が先生で本当によかった、ありがとうございます」と節目で感謝の言葉をいただく時です。
自閉症含め、発達障害のお子さんは個々によって発達段階が様々です。以前よりできることや理解が増えると、いつもそばで支援を続けてきたことが実って嬉しく感じます。

成功です。

配属先の職場の雰囲気は、全体的に感じがとても良く和気あいあいとして温かい職場環境でした。
正直なところ、業務内容はこれまでで1番忙しく抱える業務も多かったですが、職員同士が声を掛け合ってサポートし合える力が絶大で、在職中は何より心が救われました。
又､センター内には児童精神科医、看護師、理学療法士、作業療法士、心理士、言語聴覚士など様々な職種の職員がおり、接する機会があったため、それぞれ専門分野が集まり、カンファレンスを開くと色んな角度から分析できる大きな力となり、大変心強く勉強になったことです。

最大の成功は前職で事務職をしていたため、事務作業が格段にスムーズではかどりました。パソコンへの苦手意識が目立ちやすい職種ですが、書類作成では見やすいデザインに変更できたり、子ども達の教材作りに合わせて画面上でサイズ調整や画像挿入をする等、パソコン操作がスムーズに出来ることが作業効率を上げてくれました。

この仕事で身付いたスキルの１つは観察力です。お子さんの評価をする際に、生活場面や運動、遊び等の様子を観察することが仕事の１つだからです。
つい日常生活でも発揮してしまう時があります。身体の使い方、手指の使い方、行動パターン、言葉の使い方等々…。
大人もそれぞれその人のクセがあります。身体の使い方で苦手な動きはあるかな？箸の使い方や文字の書き方、指先の操作は器用かな？日常で決まった行動、ルーチンがあるかな？口癖や場面に決まった言葉があるかな？等家族や友人、周囲の人の観察に自然と磨きがかかります。
今まで気に留めなかった部分を意識することで、相手がどう考えているのかどんな表情をしているのかを汲み取ることが自然とできるようになり、新たな発見を楽しめるようになりました。

就きたい仕事が決まっている場合でも、その職種の業務内容をしっかりリサーチしておくことが大切だと思います。
社会福祉法人はたいてい秋頃に来年度の募集を開始することがほとんどです。
それまでに情報収集は必須ですし、就活イベントがあればどんな規模であれ参加して、少しでもその業界の知識を知っておくことです。そして保育や福祉業界なら、可能であれば職場見学をすると現場と職員の雰囲気が分かり、イメージしやすいのでおすすめです。
ただ、どんなに調べても実際に入ってみないと分からない部分があるかと思います。入社後にこんな業務もあったんだと思うことがあるかもしれませんが、そこをどう捉えるかも重要です。
前向きに捉えられたら案外楽しめるようになる可能性もあります。