ティファニージャパンの本社に勤務していました。エンゲージリングやマリッジリング内に文字入れサービスを行っているのですが、文字入れの職人さんに仕事を割り振ったり、納期管理やクオリティのチェックをしておりました。
その他、店舗の在庫調整やNY本社との商品のやり取り、イベントに貸し出すジュエリーの管理、時計修理の職人さんへの仕事の割り振りなど多岐にわたる業務に携わっておりました。

仕事に対する不満はなく職場の人間関係も良好でやりがいもありましたが、結婚を機に引っ越すことになり、通勤が難しくなったので退職をしました。
結婚や引っ越し、妊娠出産などで女性はライフスタイルが大きく変化します。そのため「どこに行っても職に就ける仕事」「出産で仕事を長期離れても復帰できる仕事」をしたいと考えるようになりました。
一人目の出産のときに医療事務、調剤薬局事務などの資格も取得。さらに国家資格があれば自分の強みになるかと思い、二人目出産後、独学で保育士の資格を取得しました。
ちょうど二人目の育児と病気の父親の介護が重なり大変な時期に保育園の先生にとてもお世話になり、保育士の重要性を感じたことも大きかったです。

エンゲージリングやマリッジリングなど、結婚という人生の大イベントに自社の商品を選んでいただけることが単純に嬉しかったですし、皆さんの幸せのお手伝いができる仕事にやりがいを感じていました。
華やかな業界というイメージがありますが、裏方の仕事は毎日納期との闘いだったり店舗からの無理難題に対応したりとイメージとは正反対です。でもその裏方の業務があるからこそ華やかな表舞台があるのだと自分の仕事に自信を持っていました。皆を裏でサポートする業務は続けたいと思っています。

まずは資格取得に向けて猛勉強をしました。まだ子供が小さかったので自分のペースで勉強したいと思い、スクールに通ったり通信講座を受講せず、参考書を買って独学で勉強に励みました。
約6か月の勉強で一発合格することができました。というと簡単な試験のように感じるかもしれませんが、全9科目を一度に合格するのはとても難しいです。必ず合格するという覚悟を持って取り組まないと一発では合格できないと思います。
私の場合は毎朝4時に起きて勉強をすることをルーティンにしました。ルーティン化すると続けられると思います。

転職前はしばらく専業主婦をしていました。なので転職というより社会復帰です。いくつかの会社や保育園の求人に応募して面接をしましたが、どこの面接でも専業主婦期間を「ブランク」として扱われました。唯一、入社を決めた会社では「子育て経験あるなら大丈夫だね。子供のお世話やオムツ交換も問題なくできますね。」とブランクではなく「キャリア」として扱ってくれました。
実際、専業主婦をしていた期間は社会からは離れていましたが、育児を通してたくさんのことを学んだし自分自身が成長したと感じていました。それを認めていただけたことが、入社を決め理由です。
業界未経験の私にもしっかり仕事を任せてくれる会社です。

保育事業部と子育て支援事業部を兼任しています。
保育事業部では企業内保育室で社員のお子さんをお預かりしています。日々の保育の他、子供の成長に合わせて保育の月案や週案を作成したり、毎月の保育通信の作成を担当しています。
子育て支援事業部では、市の子育て支援センターで、訪れる親子の受付や相談に乗ったりするのが主な業務です。季節ごとにイベントを開催しているので、その企画や準備を行ったりもしています。

保育業界は人間関係で辞める人が多いと聞いていたので、ギスギスした職場なのかと思っていました。実際に勤務を始めると皆さんとても優しくて、保育業界が初めての私にも丁寧に仕事を教えてくださいました。

正直、保育業界は保守的だなと思いました。日々の業務で不便だなと思うことがあっても「今までずっとこうやってきたから」と、変化を避けることが多いです。
例えば私の職場では、保護者さんにお渡しするお便りや毎月の保育通を手書きで作成せていました。日々の保育業務で忙しいなか事務仕事に時間を割くのは難しいので、Wordでお便りのフォーマットを作ってそれに入力するだけにすれば楽になるのになと思っていました。ところが「PCはよくわからないから」「覚えられないから」とずっとアナログなやり方のままでした。
今現在は、お便りに書く内容はみんなでアイディアを出し合って、私がそれをWordでまとめています。私がPCを使えるからといって、みんなにもそれを求めるのは違うと思ったからです。スタッフそれぞれ得意不得意があるので、それを補い合って業務に取り組むのが良いと考えました。
私が事務を担当することにより他のスタッフが子供のためにより多くの時間を使えるようになったと思います。

なんといっても子供の成長を感じられるのが一番の楽しみでありやりがいを感じる瞬間です。今まで出来なかったことが出来るようになったり、どんどんお喋りが上手になったり、子供は毎日たくさんのことを吸収して成長していきます。
保護者さんがお迎えに来た時に「今日はこんなことが出来たんですよ」とお伝えして、成長の喜びを共有できるのもやりがいになっています。

成功だと思います。

子供と関わる仕事は毎日が新鮮です。子供たちと過ごすバタバタな時間は本当に大変だけれどとても楽しいです。体力は必要ですが子供たちの笑顔から元気をもらえます。
また、保育業界が初めてなので他の保育施設で働いたことがなく比較ができないのですが、今の職場はとても働きやすい環境だと思います。扶養内のパート勤務でも、正社員と同じように意見を出す機会が与えられています。従業員の意見を聞いてくれる会社だと感じています。

今はコロナ禍で活動が制限されていますが、その中で工夫をして子供たちに色々な体験をさせてあげたいと思っています。ここ数年、日本各地で夏祭りが中止になっていたので子供たちはお祭りを知りません。なので職場でお祭りの飾りつけをして、大きなお神輿を作って子供たちに担いでもらいました。「ワッショイ！ワッショイ！」という掛け声も子供たちは初めてなので、とても楽しんでくれました。
できないことを諦めるのではなく、工夫をしてできる限りのことをする。そして子供たちに笑顔になってもらうのが楽しみです。
また、これは本当に個人的な考えなのですが、幼老複合施設を作って介護業界と連携したいとか、今後も少子化が進むので海外に保育園を作り保育メソッドを売りたいとか、保育業界の今後を考えています。現場で保育士としての経験を重ねつつ、「保育士が保育施設以外でもキャリアを築ける環境」を作っていきたいという目標をもっています。
その目標達成のために勉強するのも楽しみの一つです。

今まで働いていた業界とはまったく違う業界に転職するのは勇気が要ります。努力も必要です。子供が好きでないとできない仕事ですが、好きなだけでは務まらない仕事です。保育業界についてしっかり調べてから転職しないと続けられないと思います。
私はまったく畑違いの業種からの転職だったので、転職がゴールではなくそこからまた学びの連続です。どの業界でもいえることですが、目標をもって転職し、その後も向上心をもって仕事に取り組むことが大切だと思います。
ずっと保育の仕事に就いている人と比べたら私は圧倒的に経験がありません。これからも経験値で追いつくことはできませんが、経験がないからこそ新しい視点で保育について考えることが出来ると思います。それを仕事に活かしていければ「転職してよかった」と思えるはずです。