1年目から3年ほど、千葉にある障害者通所施設の配属となり、自閉症を中心とした障害を持つ方の生活の補助をしました。食事介助、排泄介助、入浴介助、日中は利用者さんと作業業務を一緒に行ったり散歩をしたりもしました。
4年目からは東京の保育園に配属となり、子どもたちの身の回りの補助をしました。食事介助、排泄介助、日中は子どもたちと散歩に行ったり制作活動をしたりもしました。
どちらの仕事も利用者さんの記録を記入したり、連絡帳などを記入して保護者さんとやりとりすることもありました。

会社に勤めて5年ほど経ち中堅と呼ばれるようになった頃、それなりに大きな仕事を任されるようにもなり、会社にとって必要な存在であることを意識しながら働いていたのですが、当時の園長先生が変わり翌年思いがけない異動命令が出されました。その後は体調を崩したこともあり、パートへと転身。私自身の体のことを考えて働きやすい体制で、と思っていたのですが思っている以上に仕事を多くふられ、体のことを考えている余裕がなくなりました。時には「保育士だから」と責任ある仕事を任され、時には「パートだから」と割り切られ、都合の良いように扱われることに疲れ、転職することを決意しました。

この会社では年に2回ほど、バザーというものが開催され、会社の持つ施設（保育園、障害児通所施設、障害者通所施設、グループホーム等）を利用している方や地域の方と交流する機会がありました。また、普段はあまり交流のない別施設で働く職員との交流もあり、人との関わりが好きな私にとっては楽しく、またやりがいのある業務でした。

転職サイト（求人ボックス、Indeed）を利用しました。

実は現在の会社に魅力を感じて転職をした訳ではなく、別会社から譲渡という形で現在の会社に入社することとなりました。
妊娠をきっかけに社会から一旦離れた私は新たに社会復帰すべく仕事を探し始めました。私自身の子どもが1歳間近ということもあり、子どもを預かってくれるところを探す必要があったため、子どもを優先的に入園させてくれるような多数の保育園を経営する会社を中心に探しました。その時、見つけたのが自宅近くに企業主導型保育園をいくつかオープンさせようと準備している会社でした。自宅から自転車で10分ほどのところの保育園に子どもを預け、私自身はそこから自転車で20分ほどの保育園に勤められるという好条件をきっかけにその会社に入社しました。その会社に入社し、1年も経たないうちに経営難ということから現在の会社に譲渡され、今に至るということです。
現在の会社は譲渡という形での入社でしたが、以前の会社よりも安定しており、保育業界では大手ということもあり、安心して入社することが出来ました。東京、千葉、神奈川などと数多くの保育園を運営しているので私自身が転居しても異動できる保育園が近くにるかもしれないというところは魅力の一つでした。

入社した頃は私自身の子どもがまだ小さかったこともあり時短勤務をし、0〜2歳までの子どもを預かる保育園で一保育士として子どもたちの身の回りの補助や制作活動、散歩、記録記入などをしました。当時の園長先生にシフトを考慮していただき、7:45からの早番勤務を中心とした働き方をさせてもらいました。次年度の希望を聞かれた際、当時いた保育園よりもより自宅に近い保育園が開園されることもあり、そちらの保育園に異動することを希望しました。その際、園長先生がまだ決まっていないという話を聞き、自ら会社に立候補。園長面談をし、園長として異動しました。私が園長として配属になった保育園は企業主導型保育園と呼ばれる保育園で、園長業務はありますが、ほとんど保育士と変わらず保育に入り、散歩をしたり記録記入をしたりもしました。園長業務といえば、園見学の対応、入園面談、第三者評価・監査などの行政とのやりとり、シフト作成、職員会議・職員研修などの資料作成、月一度の園長会に参加するため本社へ足を運ぶこともありました。園長になるとシフトはほとんど固定され、早番や遅番をする機会はなくなりました。その分、会社から支給された園長携帯は常に持ち歩き、早番・遅番でトラブルがあった際は電話で対応することもありました。

正直、入社前はあまり良いイメージはありませんでした。「会社の対応が何もかも遅い」「園によって当たり外れがある」…そんな悪い噂も聞いていましたし、少し心配することもありました。しかし、本社のサポートはしっかりとしていて、一つひとつの園を大切に思ってくれているということが伝わりました。園にいるとどうしても一番偉い立場にいる私は人を評価し、指導することが多く、自分の評価・指導をしてくれる人はいません。しかし、マネージャーは園長をしっかりと見てくれ、また園全体を見てくれ、評価・指導をしてくれます。自分が間違っていたことを気付かせてもらい、次の仕事に活かすことが出来、良かった点を伸ばしてくれ、更なるやる気へと繋げてくれました。そういった点では、思っていた以上に学べることも多く、充実して働けていたと感じます。
また別のイメージですが、各々園の方針や保育のやり方などがしっかりと統一されていて、どこの園に行っても同じような働きができると思っていました。しかし、現実は違い、数多くの園を持つことで統一感はなくなり、各々園の方針が違うため、ヘルプに行ったり異動があったりすると戸惑うことが多くあったということです。書類の書き方ひとつとっても同じ書式を使用しているはずなのに少し違う、といったことがあるのは現実です。現在は統一性を持たせるために保育士・園長・本社と考えの擦り合わせ、研修などを積極的に行っています。悪いことをそのままにするのではなく、改善していこうと迅速に動く会社はある意味イメージを変えようとしているのかもしれません。

保護者とのやりとり、トラブルに難しさ・辛さを感じることは多くありました。決まった登園時間になかなか登園してくれない保護者、子どもの少し困った姿について保護者にどう伝え、どのように改善していくかを考える。保育士たちと何度も話し合いを重ね、保護者一人ひとりに合った言い方や対応をしていくのはとても難しいと感じます。時には伝え方を誤り、園への不信感に繋がったケースもあります。園への不信感は会社の不信感にも繋がります。保護者が本社へ連絡を入れ、園の対応にクレームを入れるようなこともありました。当時はとても落ち込み、長い間辛さを感じていました。私の場合は、とにかくたくさんの人に話を聞いてもらいました。そうすることで自ずと冷静になり、同じことを繰り返さないためにどうしたら良いかを考えられるようになっていました。正直今でも難しさは感じていますし、思い出すと辛さもあります。克服できているとは言えないと思います。ですが、『私にはたくさんの味方がいる』そう思うことで、難しさ・辛さを乗り越えられるように感じます。

職員の指導、保育園の運営にやりがいを感じていました。職員たちの面談をし、自分と話したことを意識して仕事に励んでくれたり、変わろうとしてくれたりする姿を見て、とても充実した気持ちになったことを覚えています。また、実際に一人ひとりが変わることで全体的に上手く流れていき、働きやすい環境が生まれる。やってて良かったなと思う瞬間でした。保育園の運営はとても難しく、思ったようには動きませんが、それでも自分の思い描いた保育ができる喜びや嬉しさは感じていました。思うようにいかない時でさえ、辛さを感じながらも「どうしたら良いんだろう、こうしたら上手くいくんじゃないか」を考えることの楽しさも同時に感じていたと思います。

成功したと思います。

園長という責任ある仕事に就かせてもらえたからです。当時の私はただの一保育士でした。そんな私の思いや意見を真剣に聞き取り、ここまで繋げてくれました。職員、一人ひとりにしっかりと寄り添ってくれる会社なんだと信頼することができましたし、大きなチャンスをくれる会社を尊敬しました。そして、そのチャンスをしっかりと受け取り大きくステップアップさせてもらいました。この経験はなかなかできるものではないと思っています。声に出して良かったなと感じています。

私はとにかく人と関わることが好きで、子どもでも大人でも、どんな人とでも話をしたり遊んだり、コミュニケーションを取ることが何よりも楽しみでした。
子どもはとにかくたくさん遊び、話し、一緒にいてくれる人が大好きです。だからといって子どもの思いを全部聞いてくれる人を一番信頼しているかというとそういう訳でもない。「あの先生より私の方が一緒にいる時間が多いのに何であの先生の方がいいの？」「あの先生いつも怒っているのに、どうして子どもたちはいうことを聞くの？」そう思う人もいるはずです。子どもは大人をよく見ています。一緒にいる時間は長くても笑顔が少なく、否定的な言葉を使う人には近づきません。いけないことをしたら注意されるけど、何がいけなかったのか、どうしたら良かったのかを一緒に考えてくれる先生の話はちゃんと聞きます。それは大人も同じだと思っています。なので、私は子どもも大人も言い方は違えど同じような態度で接するようにしています。信頼関係ができた時、それは自分を相手に認めてもらえた瞬間と感じています。たくさんコミュニケーションを取り、相手を知り、自分を知ってもらい、信頼関係が出来た居心地良い環境の中で働くことの楽しさをぜひ感じてほしいと思います。

長くいた会社から離れることは勇気がいることでした。しかし、本当にその会社が自分にとって良い会社なのか、働きやすさ、居心地の良さ、何を優先させるべきかを考えたら自ずと転職へと気持ちが向きました。
次の仕事を見つける際も自分は何を大切に働きたいかを一番に考えて探していたと思います。その時その時で大切にするものは変わると思いますので、自分が何を優先して仕事を見つけるかということはよく考えて決めるべきだと思います。
どんな仕事も大変なことは多いと思います。しかし、少しでも楽しく仕事ができたら良いと思いますので、職場の雰囲気を知ることは大切です。保育園は特に人間関係で悩む人が多くいます。できるのなら、就職前に体験などをさせてもらい、本来の雰囲気を感じる機会を作ると良いと思います。また、休みやすさや仕事量、女性でしたら産休育休の制度が充実しているかなどを知っておくと良いかもしれません。求人に記載されている情報と違うことは多くあります。実際に働いたら残業は多いし、休みは取れないというところはよくあります。私は子どももいましたので、その点はしっかりと把握してから入社を決めたと思います。