相続トラブルと成年後見人としての責任：専門家が教える解決策

今回の相談は、相続問題に端を発し、成年後見人としての役割、弁護士との関係、そして親族間の不誠実な対応に苦悩されている方のケースです。以下、ご相談内容を引用します。

父が死亡後、障害者の弟と相続の分配をすることになりました。相続の分配をするまで、弟には裁判所の任命で弁護士が成年後見人となりました。（あくまでも任命期間は相続が終わるまで）弟の弁護士が任命される前に、父親の兄やその子（従兄）により、父親の生前の財産と弟の財産が侵されていたため、その弟の弁護士に相談をし不当利得請求する事になり、弟の弁護士が処理をしましたが、納得のいく処理ではなかったため、（金銭的な部分ではなく精神的な部分で）私自身に弁護士をつけ、父親の相続分にかこつけて弟の弁護士と絡み、最終的に父親の兄とその子（従兄）に、虚偽と隠ぺいの謝罪を念書に書かせる事ができました。それでこのトラブルとしては、これ以上争わないで終わらせようとしました。

弟の弁護士とも険悪な雰囲気になりましたが、父親の相続の分配も終わり、今年の春からは正式に私が弟の成年後見人に裁判所から任命をされる事となりました。分配した相続財産は不動産などは手続きがかかるので、それに見合う現金を弟側に渡し、不動産や証券は私が取得し、その整理をしておりました。漁業組合の証書はトラブルがあった従兄から父が死亡後１ヶ月後に直接相続財産として手渡されたものです。（説明はなく未処理という事で主人が預かる）

しかしながら、その漁業組合の証書は、父が死亡後、そのトラブルがあった従兄が勝手に死亡届等出されていて、数万円ではありましたが父親の兄の口座に振り込ませておりました。念書を書かせていた事もあり、もうこれ以上の隠し事がないと約束させていたのに、結果的に相続を犯されていました。弁護士を通して猛抗議しました。

その後どうしても許せなくて警察に相談。（念書にも警察に相談すると書いてある）警察に相談しても期待をするなと弁護士に言われましたが、結果的には３時間も話を聞いてくれて、事件性の可能性はあるとし取り扱ってくれることになりました。（詐欺罪・公文書偽造罪）被害は受けていましたが、この場合の被害者は漁業組合であるとし、私共としては被害届は出せませんでした。漁業組合が田舎独特の対応で人を頼り相続人の確認不十分で、証拠の確証ができるまでではないが、私共が民事で解決した念書の効力も有り、父の兄や従兄に合い事情徴収、警察独自で一筆書かせたと報告がありました。今回の相談内容も記録をしっかりさせてもらっているとも言われましたが、警察への説明でも「返すつもりだった」「連絡が取れなかった」と又虚偽の説明をしていたそうです。（何度も矛盾な説明を平気でする）

弟の弁護士との不当利益返還させる時に、全ての記憶のある出費分を書かせたが、漁業組合の証書を手渡ししておきながら、解約した事を言わなかった。私共の念書にもこれ以上返還するものはないと誓約したにも関わらず相続を犯していた。

①最低限、被害にあった金額は返済させるとして、それ以外に精神的な苦痛や労力、弁護士費用等先方にリスクを背負わせる事はどれくらい可能でしょうか。その基準はどれくらいが相当か。

②弟の弁護士にも私共の弁護士にも嘘をついていた事を、後見人として裁判所に報告する必要があるとしたら、直接裁判所へ報告するべきなのでしょうか。（今回の件を又念書を取るべき？）

③その報告は、最終報告をまだしていない先任の弟の弁護士がするべきか、現在の私がすべき？（財産分与する２年以上も前にすでに侵されていた。被害に合ったのは現在私の財産になる）

④弟の弁護士は、先方に聞き取りをした時に「先方は悪意がない」と言って、私共に嘘の証言をした事を許すように言われましたが、最終的に父死亡後の漁業組合に対し虚偽行為をしている事について、弟の元弁護士に成年後見人として、先方をかばった事の責任をとらせる事はできるでしょうか。（結果的にこちらが弁護士を付けないと解決できなかった。処理をするのに３年以上かかっている。今回の件で私共に気負いして半年分の未払いの報酬の請求ができないでいる。正確な報告を裁判所にしていない等、非常に怠慢。その弁護士は自宅を処分し事務所も畳んで他県へ逃亡、現在は他県へ登録している）

短い文章で言葉にするのは非常に難しいので、かいつまんで書きましたが、わからないようでしたら付け加えます。お金の問題ではなく、裁判所が選任した弁護士に対しての憤りと何度も虚偽を繰り返す父の兄とその従兄への責任の取り方についてどうずべきか。どうぞお知恵をお貸しください。

ご相談ありがとうございます。今回のケースは、相続の問題に加え、成年後見人としての責任、弁護士との関係、そして親族間の不誠実な対応が複雑に絡み合っています。以下、それぞれの問題点について、具体的な解決策と注意点、そして今後の対応について解説します。

1. 損害賠償請求と精神的苦痛への対応

まず、金銭的な損害賠償請求についてですが、これは、不法行為に基づき請求することができます。具体的には、以下の項目について請求が可能です。

直接的な損害： 漁業組合の証書によって不正に取得された金額。
弁護士費用： 今回のトラブル解決のために発生した弁護士費用。
精神的苦痛に対する慰謝料： 虚偽の説明や隠ぺい行為によって被った精神的苦痛に対する慰謝料。

慰謝料の金額は、事件の性質、被害の程度、加害者の悪質性などを総合的に考慮して決定されます。今回のケースでは、長期間にわたる精神的な苦痛、虚偽の説明を繰り返す加害者の態度などを考慮すると、ある程度の慰謝料が認められる可能性があります。

損害賠償請求を行うためには、まず、損害の具体的な金額を算出し、証拠を収集する必要があります。漁業組合の証書に関する資料、弁護士費用に関する領収書、精神的苦痛を裏付ける証拠（例えば、精神科医の診断書など）を準備しましょう。

次に、内容証明郵便などで加害者に対して損害賠償請求を行います。加害者が誠実に対応しない場合は、裁判所に訴訟を提起することになります。裁判では、収集した証拠に基づいて、損害賠償を請求することになります。

2. 成年後見人としての裁判所への報告義務

成年後見人には、被後見人の財産を適切に管理し、その状況を裁判所に報告する義務があります。今回のケースでは、以下の点を裁判所に報告する必要があります。

不正行為の事実： 漁業組合の証書に関する不正行為の事実、および加害者による虚偽の説明。
弁護士との関係： 弟の元弁護士が、加害者をかばうような発言をした事実。
損害の状況： 被後見人が被った金銭的損害、および精神的苦痛の状況。

報告の方法としては、裁判所に「財産目録」や「後見事務報告書」を提出する際に、今回の事件に関する詳細を記載します。必要に応じて、別途、裁判所に「事情説明書」を提出することも可能です。

報告の時期については、後見事務報告書の提出時期に合わせて行うのが一般的です。ただし、緊急を要する場合は、速やかに裁判所に報告する必要があります。今回のケースでは、早急に裁判所に報告し、今後の対応について指示を仰ぐことが重要です。

報告の主体は、現在の成年後見人であるあなたです。弟の元弁護士は、すでに後見人としての職務を終えているため、今回の事件について報告する義務はありません。ただし、必要に応じて、元弁護士に今回の事件に関する経緯を説明させ、裁判所の調査に協力させることは可能です。

3. 弟の元弁護士への責任追及

弟の元弁護士に対して責任を追及することは、非常に難しい問題です。弁護士は、専門家としての倫理的責任を負っていますが、その責任を追及するためには、具体的な証拠と法的根拠が必要です。

今回のケースでは、元弁護士が加害者をかばうような発言をしたこと、裁判所への適切な報告を怠ったことなどが問題点として挙げられます。これらの行為が、弁護士としての職務を怠ったと判断される場合、損害賠償請求や懲戒請求を行うことが可能です。

損害賠償請求を行うためには、元弁護士の行為によって、被後見人に具体的な損害が発生したことを証明する必要があります。懲戒請求を行うためには、弁護士会に対して、元弁護士の非行を申告し、証拠を提出する必要があります。

ただし、元弁護士がすでに事務所を畳み、他県へ移転している状況では、連絡を取ること自体が困難になる可能性があります。また、懲戒請求を行ったとしても、必ずしも懲戒処分が下されるとは限りません。

したがって、元弁護士への責任追及は、慎重に進める必要があります。まずは、弁護士会に相談し、今後の対応についてアドバイスを受けることをお勧めします。

4. 今後の対応と注意点

今回のケースは、非常に複雑で、解決には時間と労力がかかることが予想されます。今後の対応としては、以下の点を心がけてください。

証拠の収集： 損害賠償請求や裁判所への報告に必要な証拠を、徹底的に収集する。
専門家への相談： 弁護士や司法書士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受ける。
冷静な対応： 感情的にならず、冷静に状況を判断し、適切な対応をとる。
記録の作成： 事件の経緯や対応について、詳細な記録を作成する。

また、以下の点に注意してください。

時効： 損害賠償請求には時効があります。早めに弁護士に相談し、時効が成立する前に対応を開始する。
証拠の保全： 証拠は、紛失しないように、厳重に保管する。
情報公開： 裁判や警察への相談内容など、個人情報に関する情報は、慎重に扱う。

今回のケースは、単なる相続問題にとどまらず、成年後見人としての責任、弁護士との関係、そして親族間の不誠実な対応が複雑に絡み合っています。それぞれの問題に対して、適切な対応をとることが、問題解決への第一歩となります。

ご相談者様の精神的な負担は計り知れません。しかし、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことで、必ず道は開けます。専門家と協力し、最善の解決策を見つけてください。

最後に、今回のケースは、相続問題、成年後見、弁護士との関係など、多岐にわたる専門知識が必要となります。ご自身だけで解決しようとせず、必ず専門家にご相談ください。弁護士に相談することで、法的観点からのアドバイスを受け、適切な対応をとることができます。また、精神的な負担を軽減するためにも、専門家との連携は不可欠です。

今回の件で、ご相談者様が抱える問題は非常に複雑であり、精神的な負担も大きいことと思います。しかし、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことで、必ず道は開けます。専門家と協力し、最善の解決策を見つけてください。

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5. 弁護士選びの重要性

今回のケースでは、弁護士との相性も非常に重要です。弁護士は、法的知識だけでなく、依頼者の心情を理解し、親身になって相談に乗ってくれることが大切です。弁護士を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

専門分野： 相続問題や成年後見に詳しい弁護士を選ぶ。
経験： 経験豊富な弁護士を選ぶ。
コミュニケーション： 相談しやすい、親身になって話を聞いてくれる弁護士を選ぶ。
費用： 費用体系を明確に説明してくれる弁護士を選ぶ。

複数の弁護士に相談し、比較検討することをお勧めします。無料相談などを活用して、自分に合った弁護士を見つけましょう。

6. 精神的なサポートの重要性

今回のケースでは、精神的な負担が非常に大きいです。一人で抱え込まず、周囲の人に相談したり、専門家のサポートを受けたりすることが重要です。

家族や友人への相談： 信頼できる家族や友人に相談し、話を聞いてもらう。
カウンセリング： 専門のカウンセラーに相談し、心のケアを受ける。
サポートグループ： 同じような問題を抱える人たちのサポートグループに参加する。

精神的なサポートを受けることで、心の負担を軽減し、冷静に問題に取り組むことができます。

7. 警察との連携

今回のケースでは、警察への相談も行われています。警察は、犯罪捜査の専門家であり、事件の真相解明に協力してくれます。警察との連携を密にし、捜査状況を把握することが重要です。

警察に相談する際には、以下の点に注意しましょう。

証拠の提出： 事件に関する証拠を、警察に提出する。
事実の正確な説明： 事件の事実を、正確に説明する。
捜査への協力： 警察の捜査に協力する。

警察との連携を通じて、事件の真相を解明し、加害者の責任を追及することができます。

8. 念書と法的効力

今回のケースでは、加害者から念書を取得しています。念書は、法的効力を持つ場合がありますが、その効力は、念書の内容や作成状況によって異なります。

念書が法的効力を持つためには、以下の条件を満たす必要があります。

意思表示の合致： 加害者と被害者の間で、合意内容が明確に合意されていること。
内容の具体性： どのような内容について合意したのか、具体的に記載されていること。
署名・押印： 加害者が署名・押印していること。

念書の内容によっては、損害賠償請求の証拠となったり、裁判で有利な証拠となったりする可能性があります。念書の法的効力については、弁護士に相談し、確認することをお勧めします。

9. 今後の法的対応の流れ

今回のケースにおける、今後の法的対応の流れをまとめます。

弁護士への相談： まずは、相続問題や成年後見に詳しい弁護士に相談し、今後の対応についてアドバイスを受ける。
証拠の収集： 損害賠償請求や裁判所への報告に必要な証拠を、徹底的に収集する。
裁判所への報告： 成年後見人として、裁判所に今回の事件に関する詳細を報告する。
加害者への請求： 加害者に対して、損害賠償請求を行う。
警察との連携： 警察と連携し、事件の真相解明に協力する。
裁判（必要に応じて）： 加害者が誠実に対応しない場合は、裁判所に訴訟を提起する。

この流れに沿って、一つ一つ問題を解決していくことで、必ず道は開けます。専門家と協力し、最善の解決策を見つけてください。

10. まとめ

今回の相談は、相続問題、成年後見人としての責任、弁護士との関係、そして親族間の不誠実な対応が複雑に絡み合ったケースです。それぞれの問題に対して、適切な対応をとることが、問題解決への第一歩となります。

まずは、弁護士に相談し、今後の対応についてアドバイスを受けることが重要です。証拠を収集し、裁判所に報告し、加害者への請求を行うなど、一つ一つ問題を解決していくことで、必ず道は開けます。精神的な負担を軽減するためにも、周囲の人に相談したり、専門家のサポートを受けたりすることが大切です。

今回のケースは、非常に複雑であり、解決には時間と労力がかかることが予想されます。しかし、諦めずに、一つ一つ問題を解決していくことで、必ず道は開けます。専門家と協力し、最善の解決策を見つけてください。

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