76歳のおばあ様の介護、デイサービスと老人クラブどちらを選ぶ？専門家が徹底解説

76歳のおばあ様の介護について、デイサービスと老人クラブのどちらを選ぶべきか悩んでいるあなたへ。この記事では、おばあ様の心身の状態、生活環境、そして介護保険制度を踏まえ、最適な選択肢を見つけるための具体的なアドバイスを提供します。専門家の視点から、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを比較し、あなたとおばあ様にとって最良の選択ができるようサポートします。

76歳の祖母についてです。だいぶボケてきてしまい、デイサービスに通わせようかと考えています。現在祖母と同居しているのですが、日中は祖母一人になるため、ボケが進行していることもありとても心配です。ボケだけではなく耳も遠くなり、テレビの音量も40近くまであげ、テレビと顔との距離が10cmもない状態でいつもテレビを観ています。

犬を飼っているため、日中一人でも話し相手がいるのですが、1番心配なのは犬の散歩に出てしまうことです。転んだらすぐに骨を折ってしまうこと、汚い話になり申し訳ありませんが、排泄物に気付かずに歩いてしまうことです。リードを隠しても私達の暮らす所に入りそこらじゅうを探し回り、止めると「なんで隠すの！？犬が可哀想でしょ！」と言ってこちらの話を全く聞きません。（毎日朝と夕方に行っているため、散歩が足りていないということはないと思います。）

上記のこともあり、デイサービスに通わせようかと思っているのですが、要介護･要支援度の判定を受ける必要があると拝見しました。祖母には持病があり、毎月病院に通っているため主治医意見書を書いてもらうことは可能ですが、祖母は「一人で行く」の一点張りで同席することができないようです。また無理に同席し、書類を市区町村に申請後、祖母はちゃんと調査を受けるのかという不安もあります。

祖母は両親の話を聞こう（理解しよう）としません。ただ、私の話はちゃんと聞くため「やるだけやってみる」という形で私がいろいろ調べています。そのため質問させて頂きました。ボケ、視力･聴力の低下ということだけで、日常生活は一人でも問題はありません。この場合、市区町村からの認定が頂けるのでしょうか？それともデイサービスではなく、老人クラブの方を紹介すべきでしょうか？

1. 介護の現状と課題の整理

ご相談ありがとうございます。76歳のおばあ様の介護について、デイサービスと老人クラブのどちらを選ぶべきか悩んでいらっしゃるのですね。おばあ様の認知症の進行、視力・聴力の低下、そして犬の散歩中の転倒リスクなど、様々な課題があり、ご家族としては非常に心配な状況かと思います。

まず、現状を整理しましょう。おばあ様は、認知症による行動の変化、視力と聴力の低下、そして犬の散歩に関する問題点を抱えています。これらの問題は、おばあ様の安全な生活を脅かすだけでなく、ご家族の精神的な負担も増大させています。特に、おばあ様がご自身の状態を理解し、周囲の助言を受け入れにくいという点は、介護を進める上で大きなハードルとなる可能性があります。

今回の相談では、以下の点が重要です。

認知症の進行: 日中の独居による進行への懸念
身体機能の低下: 視力と聴力の低下
生活習慣におけるリスク: 犬の散歩中の転倒や排泄物の問題
本人の意向: デイサービスへの抵抗感
介護保険制度の利用: 要介護認定の取得

これらの課題を踏まえ、デイサービスと老人クラブのそれぞれの特徴を比較検討し、おばあ様とご家族にとって最適な選択肢を見つけることが重要です。

2. デイサービスのメリット・デメリット

デイサービスは、日中の時間を過ごすための施設であり、様々なサービスを提供しています。ここでは、デイサービスのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット

専門的なケア: 介護士や看護師による専門的なケアを受けられます。健康管理、服薬管理、食事介助、入浴介助など、きめ細やかなサポートが期待できます。
認知症ケア: 認知症の方への専門的なプログラムが用意されている場合があります。回想法や音楽療法など、認知機能を維持・改善するための取り組みが行われます。
社会的な交流: 他の利用者との交流を通じて、孤独感の軽減や社会性の維持が期待できます。レクリエーションやイベントも豊富で、生活の質を向上させる効果があります。
家族の負担軽減: 日中の介護を施設に任せることで、ご家族の負担を大幅に軽減できます。仕事や家事との両立がしやすくなり、休息時間も確保できます。
安全な環境: 転倒防止のための工夫がされた設備や、緊急時の対応体制が整っています。安全な環境で過ごせるため、ご家族の安心感につながります。

デメリット

費用: 利用料金が発生します。介護保険の適用がありますが、自己負担分も発生します。
移動の負担: デイサービスへの送迎が必要になります。
環境の変化への適応: 新しい環境に慣れるまでに時間がかかる場合があります。
本人の抵抗: デイサービスに通うことに抵抗を示す場合があります。
サービスの質: 施設によってサービスの質に差があります。事前の見学や情報収集が重要です。

3. 老人クラブのメリット・デメリット

老人クラブは、高齢者の自主的な活動を支援する地域組織です。デイサービスとは異なる特徴があり、メリットとデメリットも異なります。

メリット

地域交流: 地域住民との交流を深めることができます。仲間作りや情報交換の場として、社会的なつながりを維持できます。
趣味活動: 趣味や生きがいを見つけることができます。手芸、書道、囲碁、将棋など、様々な活動に参加できます。
健康増進: 健康体操やウォーキングなど、健康維持のための活動が行われます。
費用: 参加費が比較的安価です。
馴染みの環境: 慣れ親しんだ地域で活動できるため、安心感があります。

デメリット

専門的なケアの不足: 介護士や看護師による専門的なケアは受けられません。
認知症ケアの不足: 認知症の方への専門的なプログラムは限られています。
安全管理: 転倒防止などの安全対策は、デイサービスほど徹底されていません。
活動内容: 活動内容が限られている場合があります。
参加へのハードル: 自主的な参加が求められるため、本人の意欲が必要です。

4. 介護保険制度の活用と要介護認定の申請

デイサービスを利用するためには、原則として介護保険の利用が必要です。介護保険を利用するためには、まず市区町村に要介護認定の申請を行う必要があります。以下に、申請から利用までの流れを説明します。

申請の流れ

申請: 市区町村の窓口または地域包括支援センターに申請を行います。申請には、本人または家族が行うことができます。
認定調査: 市区町村の職員や委託された調査員が、心身の状態や生活状況について調査を行います。
主治医意見書: 主治医に、心身の状態に関する意見書を作成してもらいます。
審査・判定: 調査結果や主治医意見書をもとに、介護認定審査会が審査・判定を行います。
結果通知: 要介護度（要支援1～2、要介護1～5）が決定され、通知が届きます。
サービス計画作成: ケアマネジャー（介護支援専門員）が、利用者の状態や希望に合わせたケアプランを作成します。
サービス利用開始: ケアプランに基づいて、デイサービスなどの介護サービスを利用開始します。

おばあ様が要介護認定を受けるにあたり、いくつかの注意点があります。

本人の意向: おばあ様が認定調査や主治医の診察に抵抗を示す場合、ご家族の協力が不可欠です。
情報収集: 申請前に、地域の介護保険サービスに関する情報を収集し、ご本人に説明することが重要です。
相談: 地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。

おばあ様が「一人で行く」の一点張りで同席することができないとのことですが、ご家族が申請を行い、調査に立ち会うことは可能です。調査員の方に、おばあ様の現在の状況や抱えている問題点を詳しく伝えることで、適切な評価に繋がる可能性があります。また、主治医意見書についても、ご家族が状況を説明し、協力をお願いすることができます。

5. 具体的な選択肢とアドバイス

おばあ様の状況と、デイサービスと老人クラブのメリット・デメリットを踏まえ、具体的な選択肢とアドバイスを提示します。

選択肢1：デイサービス中心の生活

メリット: 専門的なケアを受けられ、安全な環境で過ごせるため、ご家族の安心感につながります。認知症ケアのプログラムや、他の利用者との交流を通じて、認知機能の維持や社会性の維持が期待できます。犬の散歩中の転倒リスクや、排泄物の問題に対するサポートも受けられます。

デメリット: 費用がかかります。移動の負担が発生します。新しい環境に慣れるまでに時間がかかる場合があります。本人がデイサービスに通うことに抵抗を示す可能性があります。

アドバイス: まずは、おばあ様と話し合い、デイサービスの見学を検討しましょう。見学を通じて、施設の雰囲気やサービス内容を理解し、おばあ様の不安を軽減することが重要です。もし本人が抵抗を示す場合は、無理強いせず、徐々に慣れていくように促しましょう。また、ケアマネジャーと連携し、おばあ様の状態に合わせたケアプランを作成することが大切です。

選択肢2：老人クラブとデイサービスの併用

メリット: 地域交流を通じて社会性を維持しつつ、デイサービスで専門的なケアを受けることができます。趣味活動や健康増進の機会も得られ、生活の質を向上させることができます。ご家族の負担を軽減しつつ、おばあ様のニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。

デメリット: 費用がかかります。移動の負担が発生します。本人が両方の施設に通うことに抵抗を示す可能性があります。ケアプランの調整が必要になります。

アドバイス: まずは、おばあ様が興味を持ちそうな老人クラブを探し、体験参加してみましょう。老人クラブでの活動を通じて、社会的なつながりを深め、生活にハリを持たせることが期待できます。同時に、デイサービスの見学も行い、おばあ様の状態に合わせた利用プランを検討しましょう。ケアマネジャーと連携し、両方の施設を効果的に活用できるケアプランを作成することが重要です。

選択肢3：在宅介護と老人クラブの併用

メリット: 慣れ親しんだ自宅で生活を続けながら、地域交流を通じて社会性を維持することができます。費用を抑えることができます。本人の安心感を高めることができます。

デメリット: 専門的なケアを受けられない場合があります。ご家族の負担が大きくなります。安全管理に注意が必要です。認知症ケアが不足する可能性があります。

アドバイス: ご家族が中心となって介護を行う場合、訪問介護サービスの利用を検討しましょう。訪問介護サービスを利用することで、専門的なケアを受けることができます。また、老人クラブへの参加を促し、社会的なつながりを維持しましょう。ご家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、サポート体制を整えることが重要です。

6. 成功事例と専門家の視点

ここでは、デイサービスと老人クラブを効果的に活用し、おばあ様の生活の質を向上させた成功事例を紹介します。また、専門家の視点から、介護における重要なポイントを解説します。

成功事例1：デイサービスと家族の連携による認知症ケア

80代の女性Aさんは、認知症が進み、自宅での生活が困難になっていました。ご家族は、Aさんの安全と生活の質を向上させるために、デイサービスの利用を検討しました。Aさんは当初、デイサービスに通うことに抵抗を示していましたが、ご家族は、Aさんの好きな音楽が流れるデイサービスを選び、一緒に見学に行きました。デイサービスのスタッフは、Aさんのこれまでの人生や趣味について丁寧に聞き取り、Aさんが安心して過ごせるように配慮しました。その結果、Aさんは徐々にデイサービスに慣れ、他の利用者との交流を楽しむようになりました。デイサービスでは、回想法などの認知症ケアプログラムも提供され、Aさんの認知機能の維持に貢献しました。ご家族は、デイサービスのスタッフと密に連携し、Aさんの状態に合わせたケアプランを作成することで、Aさんの生活の質を大きく向上させることができました。

成功事例2：老人クラブと地域住民の支えによる在宅生活の継続

70代の男性Bさんは、認知症を抱えながらも、長年住み慣れた自宅での生活を希望していました。ご家族は、Bさんの希望を尊重し、在宅介護を選択しました。Bさんは、近所の老人クラブに参加し、仲間との交流を楽しんでいました。老人クラブのメンバーは、Bさんの異変に気づくと、すぐに家族に連絡するなど、Bさんを温かく見守っていました。ご家族は、訪問介護サービスを利用し、Bさんの健康管理や生活支援を行いました。また、地域包括支援センターやケアマネジャーと連携し、Bさんの状態に合わせたケアプランを作成しました。その結果、Bさんは、地域住民の支えを受けながら、安心して自宅での生活を続けることができました。

専門家の視点

早期の対応: 認知症の早期発見と早期対応が重要です。専門医の診断を受け、適切な治療やケアを受けることで、症状の進行を遅らせることができます。
本人の意思尊重: 本人の意思を尊重し、本人が望む生活を支援することが大切です。
多職種連携: 医師、ケアマネジャー、介護士、家族など、多職種が連携し、チームとして介護に取り組むことが重要です。
情報収集: 介護に関する情報を積極的に収集し、最新の知識やサービスを活用することが大切です。
家族のサポート: 介護は、ご家族にとって大きな負担となる場合があります。家族だけで抱え込まず、地域のサポートサービスや専門家の支援を受けましょう。

介護は、一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら、長期的に取り組むことが大切です。おばあ様の状況に合わせて、最適な選択肢を選び、より良い生活をサポートしていきましょう。

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7. まとめ

76歳のおばあ様の介護について、デイサービスと老人クラブのどちらを選ぶべきか悩んでいるあなたへ。この記事では、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを比較し、最適な選択肢を見つけるための具体的なアドバイスを提供しました。

最終的な選択は、おばあ様の心身の状態、生活環境、そしてご家族の状況を総合的に考慮して行う必要があります。デイサービス、老人クラブ、在宅介護など、様々な選択肢を検討し、おばあ様とご家族にとって最良の選択をしてください。また、介護保険制度の活用や、専門家への相談も積極的に行いましょう。おばあ様が安心して、そして笑顔で過ごせるように、最善のサポートを心がけてください。

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