保育士の処遇改善、園長がポケットに入れるのは違法？40代保育士の悩みに答えます
保育士の処遇改善、園長がポケットに入れるのは違法？40代保育士の悩みに答えます
この記事では、保育士としてのキャリアを重ねながらも、処遇改善や給与に関する疑問や不安を抱えている40代の保育士の方に向けて、具体的な情報とアドバイスを提供します。特に、株式会社経営の保育園で働く中で、処遇改善費の使途やキャリアアップ研修後の給与増額について疑問を感じている方、そして今後のキャリアプランについて悩んでいる方の疑問を解決していきます。
まず、今回の相談内容を見ていきましょう。
現在の園に勤務4年目、42歳です。途中結婚～子育て、旦那の転勤で専業主婦になったりで、保育士としての経験は12年くらいでしょうか。
それまではパートで転々としていたりで、子供の成長に合わせて、四年前、正職としてこの園に来ました。
株式会社経営で、飲食などの事業の一貫で保育部門と言う感じで、やはり儲けを第一に、というのがうかがえます。
会社自体の社長にあたる人がいて、その会社の社員で保育園を経営面で仕切る社員が園長という形になっています。下には主任がいますが、ほとんどこの主任が園長の役割。大変そうです。
そんな感じで、やっぱり社会福祉法人じゃないと、ってことなのかなぁと思うのは給料です。
今年度の処遇改善費の６０００円、上乗せされていません。「先生達、どうせ知らないだろう」と、園のポケットに、だと思います。
ボーナスも驚くほど安いです。そして、今回言われている処遇改善対策の一貫としてキャリアアップ研修も受けにいくように言われ、それが昨日でした。
そこで前の職場の先生に会い、この研修を受けてキャリアアップで、月収四万円の増額の話になりました。もちろん私はネットなどの情報で知ってましたが、園長からはそういう話はないです。
多分研修は受けさせて処遇改善の対象者を作り、入ってきた処遇改善のお金はポケットに、、、というつもりなのかなぁと。
ボーナスの安さも、去年の処遇改善６０００円も「どうせ保育士なんかこのくらいの給料やっとけばいいだろう」とか「処遇改善のニュースなんか知らないだろう」とか思われてるのかなぁと思います。バカだと思われてるのかな。
そして今回もこのまま、研修受けたのに、四万円の給料増額がもしなかったら。園の収入を増やすための道具として研修を受けさせられたとしたら、、、、。かなりショックです。
こういうことって、今までの処遇改善は園に「保育士の処遇改善等に当ててください」と「等」がついてて、必ずしも保育しに渡す必要はなかったんですよね？今の園以外にも保育士に還元してる所とそうじゃない所があるのは知っています。
けど、今回のこれ(中堅に4万上乗せ。キャリアアップ研修、、、)も、その人の給料にならず園のポケットに入れることはできてしまいますか？そうした場合、それを訴える権利はありますか？それとも今までの処遇改善のように「出来れば」保育士の給料に上乗せしてね」的な努力義務っぽい感じなのですか？
今度監査があって、保育士が呼ばれて面接もあります。そのときに監査の人に前回の処遇改善6000円ももらってないなどと言ったら内部告発みたいになるのでしょうか？
また6000円増やしてないですよ？と、指摘された園側は、普通の昇給を「保育士自信には伝えてませんがこれがその分です」といえば逃げられますか？
今回のキャリアアップ研修はとてもためになるものでしたし、給料を四万円増やすために受けたのではもちろんありませんが、やはり保育士の給料が安いのは事実です。深刻です。もらえる権利があるものをもらえないとなると怒り心頭！
でも、今の園に来て、とくに「社会福祉法人じゃなくて株式会社経営の園ってやっぱり、、、」と感じます。職員が仲が良く働きやすいのでお金ねのためでの転職は考えてませんが、今回の様なことではいつもモヤモヤです。
回りは若い先生達が多いですが、若い先生たちも友達との情報交換もあるし、給料、ボーナスの安さにはやっぱり相当悩みというか怒りというか、、、、です。
長くなりましたが、どう思われますか？ひとまず処遇改善の中堅以上保育士、キャリアアップで四万円増額、園のポケットに入っても仕方ないのか、違法とまではいかなくても本来保育士に渡さなければ、渡さなければ、ばれるような方法がちゃんととられてるのか？詳しい方お願いします。
1. 処遇改善費の仕組みと園側の対応
保育士の処遇改善は、保育士の給与水準を引き上げ、質の高い保育を提供するための国の重要な政策です。しかし、その運用には課題も存在し、今回の相談者のように、園によっては処遇改善費が適切に保育士に還元されないケースも見られます。
1-1. 処遇改善費の種類
処遇改善費には、主に以下の3種類があります。
- 特定処遇改善加算: 経験・技能のある保育士の給与を引き上げるための加算です。キャリアパス要件などを満たす必要があります。
- 処遇改善等加算I: 保育士のキャリアアップを支援するための加算で、研修の実施などが求められます。
- 処遇改善等加算II: 経験年数や役割に応じた給与アップを目的とした加算です。
これらの加算は、園が国から受け取り、保育士の給与に反映させる必要があります。しかし、その使途については、園の裁量に委ねられる部分もあり、問題点も指摘されています。
1-2. 園が処遇改善費を適切に運用しない場合のリスク
園が処遇改善費を適切に運用しない場合、以下のようなリスクが考えられます。
- 監査での指摘: 地方自治体による監査で、処遇改善費の使途について指摘を受ける可能性があります。
- 保育士からの不信感: 保育士からの不信感を招き、離職につながる可能性があります。
- 法的問題: 悪質な場合は、詐欺罪などに問われる可能性もあります。
相談者のケースでは、処遇改善費が保育士に還元されず、園の利益に流用されている疑いがあります。これは、保育士のモチベーションを低下させ、質の高い保育の提供を妨げる可能性があります。
2. キャリアアップ研修と給与増額の関係
キャリアアップ研修は、保育士の専門性やスキルを向上させるための重要な取り組みです。研修修了後に給与が上がることは、保育士にとって大きなモチベーションとなります。
2-1. キャリアアップ研修の目的
キャリアアップ研修の主な目的は以下の通りです。
- 専門性の向上: 保育に関する知識や技術を深め、質の高い保育を提供できるようになる。
- キャリアパスの明確化: 保育士としてのキャリアプランを描き、目標を持って仕事に取り組めるようになる。
- 給与アップ: 研修修了や資格取得によって、給与が上がる可能性がある。
2-2. 研修後の給与増額の仕組み
キャリアアップ研修修了後の給与増額は、園の制度や処遇改善費の運用によって異なります。一般的には、以下のいずれかの方法で給与がアップします。
- 特定処遇改善加算の活用: キャリアパス要件を満たし、経験・技能のある保育士として給与がアップする。
- 園独自の昇給: 研修修了を評価し、園独自の昇給制度で給与が上がる。
- 手当の支給: 研修修了によって、資格手当や役職手当が支給される。
相談者のケースでは、研修を受けたにも関わらず、給与増額の話がないとのこと。これは、園が処遇改善費を適切に運用していない可能性を示唆しています。
3. 相談者がとるべき具体的な行動
相談者が抱える問題を解決するために、具体的な行動をいくつか提案します。
3-1. 情報収集と証拠の確保
まずは、以下の情報を収集し、証拠を確保することが重要です。
- 園の処遇改善費の運用状況: 園がどのような処遇改善費を受け取っているのか、どのように保育士に還元されているのかを確認する。
- 給与明細: 過去の給与明細を保管し、処遇改善費が適切に反映されているかを確認する。
- 園長や関係者との話し合いの記録: 話し合いの内容を記録に残す（録音など）。
これらの情報は、問題解決のための交渉や、必要に応じて外部機関への相談に役立ちます。
3-2. 園長との交渉
証拠を基に、園長と直接交渉することも有効です。具体的には、以下の点について話し合いましょう。
- 処遇改善費の使途について: 処遇改善費がどのように運用されているのか、詳細な説明を求める。
- キャリアアップ研修後の給与増額について: 研修後の給与増額について、具体的な計画や見通しを尋ねる。
- 疑問点や不満点の伝達: 処遇改善費の未払い、ボーナスの少なさなど、自身の疑問や不満を率直に伝える。
交渉の際は、感情的にならず、冷静かつ論理的に話すことが重要です。また、交渉の記録を残しておくことも大切です。
3-3. 外部機関への相談
園長との交渉で解決しない場合は、外部機関への相談を検討しましょう。相談できる主な機関は以下の通りです。
- 労働基準監督署: 労働基準法違反の疑いがある場合に相談できます。未払い賃金や不当な労働条件について相談できます。
- 弁護士: 専門的なアドバイスを受け、法的手段を検討できます。
- 保育士の労働組合: 労働条件の改善や権利擁護を目的とした団体です。
- 自治体の保育課: 保育園の運営に関する相談や、問題解決のためのアドバイスを受けられます。
これらの機関に相談することで、専門的なアドバイスを受け、適切な対応策を見つけることができます。
4. 監査への対応と注意点
監査は、園の運営状況をチェックし、問題点があれば改善を促すための重要な機会です。監査の際に、相談者がどのように対応すべきか、注意点を含めて解説します。
4-1. 監査での情報提供
監査では、園の運営状況に関する質問や、保育士への聞き取り調査が行われます。相談者は、以下の点に注意して情報提供を行いましょう。
- 事実に基づいた情報提供: 嘘や誇張はせず、事実に基づいた情報を正確に伝える。
- 客観的な視点: 感情的にならず、客観的な視点から状況を説明する。
- 証拠の提示: 必要に応じて、給与明細などの証拠を提示する。
監査官は、中立的な立場から状況を判断します。正確な情報提供は、問題解決への第一歩となります。
4-2. 内部告発のリスクと対策
監査で、園の不正行為を指摘することは、内部告発とみなされる可能性があります。内部告発には、以下のようなリスクが伴う場合があります。
- 報復: 園から不当な扱いを受ける可能性。
- 人間関係の悪化: 園内の人間関係が悪化する可能性。
これらのリスクを避けるために、以下の対策を講じましょう。
- 証拠の確保: 内部告発に備えて、証拠をしっかりと確保しておく。
- 外部機関への相談: 内部告発を行う前に、弁護士や労働組合などの専門家と相談する。
- 情報公開の範囲: 内部告発する範囲を慎重に検討する。
内部告発は、最終的な手段として検討し、リスクを十分に理解した上で慎重に行動しましょう。
5. 今後のキャリアプランと転職の可能性
今回の問題を通じて、相談者は現在の園の運営体制や給与に不満を感じている可能性があります。今後のキャリアプランを考える上で、転職も選択肢の一つとして検討してみましょう。
5-1. キャリアプランの再検討
まずは、自身のキャリアプランを再検討しましょう。具体的には、以下の点を整理します。
- 将来の目標: 保育士としてどのようなキャリアを築きたいのか、具体的な目標を設定する。
- 重視する条件: 給与、福利厚生、人間関係、研修制度など、仕事で重視する条件を明確にする。
- 自己分析: 自身の強みや弱み、興味のある分野を分析する。
これらの情報を基に、今後のキャリアプランを具体的に描き、転職の必要性を判断します。
5-2. 転職活動の準備
転職を検討する場合は、以下の準備を行いましょう。
- 情報収集: 転職サイトやハローワークなどを利用して、求人情報を収集する。
- 自己分析: 自身のスキルや経験を整理し、自己PRを作成する。
- 履歴書・職務経歴書の作成: 応募書類を作成し、企業の求める人物像に合わせて内容を調整する。
- 面接対策: 面接での質問への回答を準備し、模擬面接を行う。
転職活動は、情報収集と準備が重要です。積極的に行動し、自分に合った職場を見つけましょう。
5-3. 転職先の選択肢
転職先の選択肢としては、以下のようなものが考えられます。
- 社会福祉法人の保育園: 安定した経営基盤と、福利厚生の充実が期待できます。
- 大規模法人の保育園: 研修制度やキャリアアップ制度が整っている場合があります。
- 認可保育園: 運営基準が明確で、安定した運営が期待できます。
- 企業主導型保育園: 企業が運営する保育園で、多様な働き方ができる場合があります。
それぞれの保育園には、メリットとデメリットがあります。自身の希望や条件に合わせて、最適な転職先を選びましょう。
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6. まとめ
今回の相談者のケースでは、処遇改善費の運用や給与に関する疑問、キャリアアップ研修後の待遇への不安など、多くの問題を抱えています。これらの問題を解決するためには、情報収集、園長との交渉、外部機関への相談など、様々な行動が必要です。
また、今後のキャリアプランを考える上で、転職も選択肢の一つとして検討してみましょう。自身の目標や条件に合わせて、最適な職場を見つけることが重要です。
保育士の皆さんが、安心して働き、やりがいを感じられる環境を築けるよう、応援しています。
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