発達障害のある子の他害とバスケ問題：親としての葛藤と解決策

この記事では、発達障害のあるお子さんの他害行動に悩む親御さんに向けて、バスケサークルへの参加継続の是非という難しい問題に焦点を当て、具体的な解決策を提示します。お子さんの成長を願う親御さんの気持ちに寄り添いながら、専門的な知識と具体的なアドバイスを提供することで、日々の育児における不安を軽減し、より良い選択ができるようにサポートします。

発達障害の7歳の息子がいます。障害名は、自閉症スペクトラムとADHDです。4歳のときに診断されました。

悩みは、息子の他害がひどいことです。どの他害も、怒る理由はありますし、怒る理由も理解できます。（例えば、友達に馬鹿にされた、順番を抜かされたなど）どんな理由であれ、他害は許されませんが、さらにうちの息子は大けがにつながる他害ばかりです。（友達の上にのる、目をねらうなど）どれも、運よくケガはありませんでしたが、いつ大きなケガをさせるか不安です。

また、他害は毎日というわけではありません。現状だと、一か月ほど他害することなく、平和に過ごしています。他害があるときは、週1回ぐらいでおこり、それが1か月ほど続きます。それから、何か月か何もなく、また他害する期間にはいる感じです。そのような感じで、幼稚園から何年も過ごしました。（幼稚園のときも、数か月に１～２回、理由はありますが、叩いたり、噛んだりしてました）

息子は、バスケが好きです。上手なわけではありませんが、バスケをやりたいと言っています。しかし、他害がそこで何度かあり、そこの親たちから睨まれ、無視をされるようになりました。（他害してしまった親には、謝罪しています）私だけならまだ耐えれましたが、息子の話も親が無視するという状況です。が、息子は無視されていることに気づかず、聞こえないと思い、何度も声をかけてます。その姿を見ることが辛いです。

他害がある息子は、バスケサークルをやめなければいけないでしょうか？その際、息子に何て言ってやめさせればよいのでしょうか？「手を出したから、バスケサークルにいられない」と言っても大丈夫でしょうか？

私としても、バスケサークルに行くことは苦痛です。が、本人はやりたがっています。何を優先するべきか、迷っています。息子のことだけを考えたら、バスケサークルを続けることかもしれません。しかし、他害が毎日ではありませんが、ある以上、やめるべきかもと思います。しかし7歳という年齢に、その事実が辛すぎないだろうか、耐えれるか、二次障害にはならないのか、考えても考えても結論がでません。

（補足１）

バスケ部の先生達には、障害のことも伝えていますし、順番抜かしがないよう、初めから順番を決めて欲しいとお願いしています。それでも、順番を抜かす子供もいて、トラブルが発生してしまいます。

（補足２）

3歳の妹がいます。妹が邪魔にならないよう見守りながら、ずっとその場で監視することが難しい状況です。一度見学しましたが、つまらないと言って愚図り大変でした。旦那には、お金払ってるんだから、それは先生たちにまかせればいいと言われました。

（補足３）

小学校では、支援級に在籍しています。今回、同じバスケサークルで、同じ小学校の友達と、小学校の中でトラブルがおき、このような状況になっています。

1. 状況の整理と親御さんの心情理解

まず、この困難な状況に直面されている親御さんの心情を深く理解することが重要です。発達障害を持つお子さんの育児は、喜びと同時に多くの悩みや苦労を伴います。特に、他害行動は、お子さんの安全だけでなく、周囲との関係性にも影響を及ぼすため、親御さんにとって大きなストレスとなります。

今回のケースでは、

お子さんの年齢: 7歳であり、社会的なルールや人間関係を学び始める重要な時期であること
障害の種類: 自閉症スペクトラムとADHDを併せ持ち、特性への理解と適切な対応が求められること
問題行動: 他害行動がバスケサークルで発生し、周囲との関係が悪化していること
親御さんの葛藤: お子さんの気持ちを尊重したい気持ちと、安全面への不安、周囲からの視線への苦痛など、様々な感情が入り混じっていること

これらの要素が複雑に絡み合い、親御さんを悩ませています。この状況を理解した上で、具体的な解決策を検討していく必要があります。

2. バスケサークル継続のメリットとデメリット

バスケサークルへの参加継続について、メリットとデメリットを客観的に比較検討してみましょう。

メリット

本人の意欲: バスケが好きで、やりたいという強い気持ちがあることは、成長の大きな原動力となります。好きなことに取り組むことで、自己肯定感が高まり、自己効力感も育まれます。
運動能力の発達: バスケは全身運動であり、体力向上、運動神経の発達に繋がります。
社会性の学習: チームスポーツを通じて、ルールを守ること、協調性、コミュニケーション能力を学ぶ機会となります。
友達との交流: 同じ趣味を持つ仲間との出会いは、社会性を育み、孤独感を軽減します。

デメリット

他害行動のリスク: 他害行動が継続する場合、周囲に怪我をさせるリスクがあります。また、周囲からの理解が得られず、孤立する可能性もあります。
周囲からの視線: 他害行動が原因で、他の保護者から非難されたり、子ども自身が仲間はずれにされる可能性があります。
親御さんの精神的負担: サークルへの参加が、親御さんにとって精神的な負担となる可能性があります。見守りや謝罪など、多くの労力が必要になります。
二次障害のリスク: 周囲からの拒絶や孤立は、子どもの自己肯定感を低下させ、二次的な精神的な問題（不安、抑うつなど）を引き起こす可能性があります。

3. バスケサークルを続ける場合の対策

バスケサークルを続けることを選択する場合、以下の対策を講じることで、リスクを軽減し、お子さんが安全に活動できる環境を整えることができます。

3-1. 専門家との連携

まず、専門家（医師、臨床心理士、発達支援の専門家など）に相談し、お子さんの特性を詳しく理解し、適切な支援計画を立てることが重要です。専門家のアドバイスに基づき、具体的な行動療法やソーシャルスキルトレーニングなどを実施することで、他害行動の改善を図ることができます。

行動療法: 他害行動の原因を分析し、望ましい行動を促すための具体的な方法を学びます。
ソーシャルスキルトレーニング: 友達とのコミュニケーション方法、問題解決能力などを訓練します。

3-2. 環境調整

バスケサークルの環境を調整し、お子さんが安全に活動できるような工夫を行います。

先生との連携: 先生に、お子さんの特性と必要な配慮事項を伝え、協力体制を築きます。順番のルールを徹底するなど、具体的な対策を一緒に考えます。
保護者への理解促進: 他の保護者に対して、お子さんの障害について説明し、理解と協力を求めます。必要に応じて、専門家による説明会などを開催することも有効です。
安全対策: 練習場所の安全性を確認し、危険な道具や場所を避けるなど、物理的な安全対策を講じます。
少人数制: 少人数制の練習や、個別指導を取り入れることで、お子さんへのきめ細かいサポートが可能になります。

3-3. 行動への対応

他害行動が発生した場合の具体的な対応を事前に決めておき、一貫性のある対応を心がけます。

冷静な対応: 感情的にならず、冷静に状況を把握します。
安全確保: 周囲の安全を確保し、怪我をさせないように注意します。
原因の特定: なぜ他害行動が起きたのか、原因を特定します。
代替行動の提示: 怒りや不満を別の方法で表現することを教えます。
謝罪とフォロー: 相手に謝罪し、必要に応じてフォローを行います。
記録: 他害行動の頻度、状況、対応などを記録し、専門家との連携に役立てます。

3-4. 本人への説明

お子さんには、理解できる言葉で、なぜ他害行動がいけないのかを説明します。

分かりやすい言葉: 難しい言葉を使わず、具体的に説明します。
視覚的なツール: 絵や写真などを使って、視覚的に分かりやすく説明します。
肯定的な言葉: 叱るだけでなく、良い行動を褒めることで、自己肯定感を高めます。
一貫性: 一貫した態度で接し、ルールを徹底します。

4. バスケサークルを辞める場合の対応

バスケサークルを辞めることを選択する場合、お子さんの気持ちに寄り添いながら、丁寧に説明することが重要です。

4-1. 辞める理由の説明

なぜバスケサークルを辞めるのか、お子さんに分かりやすく説明します。

正直に伝える: 他害行動が原因で、他の人に迷惑をかけていること、安全上のリスクがあることを伝えます。
分かりやすい言葉: 7歳のお子さんにも理解できるように、具体的な例を挙げて説明します。「友達を叩いてしまうと、友達が痛い思いをするから、バスケではできないんだよ」など。
感情に寄り添う: 辞めることに対する寂しさや悲しさを理解し、共感する言葉をかけます。「バスケができなくなるのは、つらいよね」など。
代替案の提示: バスケ以外の、興味のある活動を提案します。「代わりに、公園で一緒に遊ぼうか」「他のスポーツを試してみようか」など。

4-2. 伝え方の例

以下は、具体的な伝え方の例です。

「〇〇（お子さんの名前）がバスケを好きなのは、お母さんも嬉しいよ。でもね、バスケでは、お友達と仲良く、順番を守って遊ばないといけないんだ。〇〇は、時々、お友達に手が出てしまうことがあるよね。それは、〇〇が怒っているからかもしれないけど、お友達は痛い思いをしてしまうんだ。だから、今はバスケを休んで、〇〇がもっとみんなと仲良くできるようになるまで、練習しよう。他の楽しいことを見つけようね。」

4-3. その後のフォロー

バスケサークルを辞めた後も、お子さんの気持ちに寄り添い、サポートを続けます。

気持ちを共有: 辞めたことに対する寂しさや不満を、話を聞いて受け止めます。
自己肯定感を高める: 良い行動を褒めたり、得意なことを認めたりすることで、自己肯定感を高めます。
新しい活動の提案: バスケ以外の、興味のある活動を一緒に探します。
専門家との連携: 必要に応じて、専門家（医師、臨床心理士、発達支援の専門家など）に相談し、サポートを受けます。

5. 親御さんの心のケア

お子さんの育児は、親御さんにとって大きな負担となります。特に、今回のケースのように、他害行動や周囲との関係性で悩む場合、精神的なストレスは大きくなります。親御さん自身の心のケアも非常に重要です。

休息時間の確保: 睡眠時間を確保し、心身を休ませる時間を作ります。
気分転換: 趣味を楽しんだり、好きなことをしたりして、気分転換を図ります。
相談できる相手: 家族、友人、または専門家（カウンセラーなど）に相談し、悩みを打ち明けます。
情報収集: 発達障害に関する情報を収集し、知識を深めます。
サポートグループ: 同じ悩みを持つ親御さんたちのサポートグループに参加し、情報交換や交流を行います。

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6. まとめ：親御さんの決断をサポートするために

発達障害を持つお子さんの育児は、困難な道のりですが、決して一人ではありません。今回のケースでは、バスケサークルへの参加継続の是非という難しい問題について、メリットとデメリットを比較検討し、具体的な対策と、辞める場合の対応について解説しました。最終的な決断は、親御さんの価値観、お子さんの特性、周囲の状況などを総合的に考慮して行う必要があります。

親御さんが、お子さんの将来を考え、最善の選択ができるよう、私たちは全力でサポートします。専門家との連携、環境調整、行動への対応、そして親御さん自身の心のケアを通じて、お子さんの健やかな成長を支えていきましょう。

この情報が、少しでも親御さんの助けとなり、お子さんと共に笑顔で過ごせる日々につながることを願っています。

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