幼稚園から発達障害を疑われているけれど、本当にそう？専門家が教える、親御さんの不安を解消するヒント
幼稚園から発達障害を疑われているけれど、本当にそう？専門家が教える、親御さんの不安を解消するヒント
この記事では、お子さんの発達に関して幼稚園から指摘を受け、不安を感じている親御さんに向けて、発達障害の可能性とその見極め方、そして具体的な対応策を解説します。発達障害の診断、療育、そして親御さんの心のケアについて、専門家の視点から詳しく掘り下げていきます。発達障害の早期発見と適切なサポートがいかに重要であるか、具体的な事例を交えながら、分かりやすくお伝えします。
幼稚園から発達障害を疑われています。
今年入園した子どもがおります。
私自身、子どもを設ける段階から色々と調べて発達障害の存在は知っていましたが、子どもが幼稚園に通いだして急に発達障害を疑われて戸惑っています。
発達障害は親自身が明らかに育てづらさを感じるケースが多いように思うのですが、そうでないケースもあるのでしょうか？
私自身は特に育てづらさは感じた事はありません。
外でひどい癇癪を起こしたり暴れまわったりなどもなく、公園やキッズスペースでは片時も目を離さず見守っていましたが、いつも同じ年頃の子どもたちと仲良く遊んでいました。
歩けるようになってからは外では手をつなぐことを徹底してしていたので勝手に走り回ることもなく、かといって手をつなぐことが子どもの中でマニュアル化し過ぎているでもなくその場の状況に応じて行動していました。
言葉が少し遅いかなという心配はありましたが、近くに親しい親戚やママ友などもおらず、私自身が人付き合いが苦手なため、子どもの特定の遊び相手がいなかった事で刺激が少なかったせいか・・・私自身も口下手で本の読み聞かせ以外は何を話せば良いか戸惑っていたせいか・・・産後から体調不良が続き思うように相手をしてやれない日が多かったせいもあるのかなと思います。
幼稚園入園の当初は午前保育で、その時は特に問題は見られなかったのですが、普通保育が開始されてから問題が目立ってきました。
主な問題は・・・
- 集団行動ができない→お外遊びの後、先生の呼びかけで音楽を流してみんなで体操を始めても、我が子は遊具で遊んだり走り回ったりして呼んでも体操に参加しない。
- 落ち着いて座っていられない→教室で椅子に座って先生のお話を聞く状況でも椅子をガタガタさせて遊んだり、立ち上がって走りだしたり面白がって教室から逃げ出したりしてしまう。ダメだと言われても階段を駆け上がって上階にまで逃げていってしまう。
- お友達とケンカになると噛み付いてしまう→言葉が遅いので言葉でのコミュニケーションがうまく出来ず噛むという行為に出てしまう。
- お友達との距離感がわからない→違う学年の子やお互いに知らない子たちが遊んでいる所に急に入っていってビックリされたり拒否されてしまい、時にケンカに発展してしまう。砂場で遊んでいると他の子が使っている場所に勝手に割り込んで砂を崩してしまったり、他の子が使っているオモチャを勝手に取って遊んでしまう。お友達が嫌がっていると気付かずに面白がって後ろを追いかけ続けてしまう。
主にこれらの事を入園当初(入園から1カ月足らず)に指摘され、私自身も幼稚園に見学(計5回ほど)に行きその事実を確認し、幼稚園から療育センターへの相談をすすめられたので予約を取りました。
療育センターへの相談は混み合っていて予約日まで時間が空く事もあり、その間に私自身でできる事をと考え実際に見学した事で見えた改善点を子どもに毎日言って聞かせた所、みるみるうちに改善が見られるようになったようで、園からのトラブルの報告がパタリと無くなりました。
療育センターに子どもと出向きその事実を踏まえ相談した所、ケースワーカーさんに『まだ生まれて3年程しかなく初めての集団生活であれば、幼稚園がどういう場所かなかなか理解できなかっただけの可能性もある。言って聞かせて改善されたのならば大丈夫ではないか。今も落ち着いて遊んでいるし、お片付けもしているし。発達障害の子だとパッと見てすぐ分かるほどの言動をするし、場所を選んで行動を変える事もできないもの』と言われました。
ただケースワーカーさんは相談要員で専門家ではないので、心配であれば心理士に発達検査をしてもらえるとの事で、幼稚園にとっても結果がはっきりしている方が納得できるだろうと思い発達検査を受けました。
結果、言葉は平均に比べ遅めだが基準の範囲内で、他の発達状況は平均並みか平均以上との結果で幼稚園にも伝えました。検査中の子どもの様子も判断基準に入るのですが、検査中もずっと椅子に座って心理士さんの言う通りに検査を受け落ち着いていました。
しかしその検査結果を幼稚園に伝えてもなぜか納得できない様子なのです・・・
そのため心理士さんに直接幼稚園に見学に行ってもらい、先日その連絡を受けましたが『集団行動はできているし落ち着いていた』との事。心理士さん自身は問題はないのではという感じでしたがやはり幼稚園側は入園当初の様子が気になると主張しているとの事。
そのため医師による正式な診断を受けた方がはっきりできて良いのではとすすめられましたが、幼稚園側の主張に疑問があり納得できません。
すでに落ち着いてきているのに過去の事(入園1カ月ほどの期間の様子)を理由に障害を疑っているみたいですが、この状況でも発達障害の可能性はあり得るのでしょうか？
発達障害の可能性と、親御さんが抱える疑問への回答
お子さんの発達について幼稚園から指摘を受け、戸惑い、不安を感じていらっしゃるのですね。発達障害の可能性について、様々な疑問をお持ちのことと思います。今回のケースでは、幼稚園での行動が気になり、発達障害を疑われたものの、その後の改善や発達検査の結果から、本当に発達障害なのかどうか悩んでいる状況です。この記事では、専門家の視点から、この状況を詳しく分析し、親御さんの疑問にお答えしていきます。
1. 発達障害とは何か？
まず、発達障害について基本的な理解を深めましょう。発達障害は、生まれつきの脳の発達の偏りによって、日常生活や社会生活に困難が生じる状態を指します。具体的には、自閉スペクトラム症（ASD）、注意欠如・多動性障害（ADHD）、学習障害（LD）などがあります。これらの障害は、行動、コミュニケーション、学習能力などに影響を及ぼす可能性があります。
発達障害は、早期に発見し、適切な支援を行うことで、その子の能力を最大限に引き出し、社会生活への適応を促すことができます。しかし、発達障害の特性は人それぞれ異なり、一概に「こうすれば良い」というものではありません。個々の特性に合わせたきめ細かい対応が重要になります。
2. 育てにくさを感じないケースも存在するのか？
ご質問にあるように、「発達障害は親自身が明らかに育てづらさを感じるケースが多いように思う」という点についてですが、必ずしもそうとは限りません。実際には、育てにくさを感じないケースも存在します。これは、発達障害の特性が軽度であったり、親御さんが子どもの特性を理解し、うまく対応できている場合などです。
今回のケースのように、幼稚園に入園するまでは特に育てにくさを感じていなかったという状況は、珍しいことではありません。家庭内では問題なく過ごせていたとしても、集団生活が始まったことで、初めて困難に直面することもあります。これは、家庭と幼稚園という環境の違い、そして集団生活におけるコミュニケーションやルールの理解が求められることなどが影響していると考えられます。
3. 幼稚園での問題行動の原因を考える
幼稚園での問題行動について、いくつかの原因が考えられます。まず、集団生活への慣れの問題です。初めての環境で、子どもは戸惑い、不安を感じることがあります。また、言葉でのコミュニケーションが苦手な場合、自分の気持ちをうまく伝えられず、問題行動につながることがあります。さらに、発達の特性によっては、特定の刺激に過敏に反応したり、集中力が続かないといったことも考えられます。
今回のケースでは、入園当初に集団行動ができなかったり、落ち着いて座っていられなかったり、友達とのトラブルがあったりといった問題が指摘されています。しかし、その後、親御さんの対応や療育センターの助言、そして発達検査の結果を経て、状況が改善しているという点は非常に重要です。
4. 幼稚園側の主張に対する疑問と、発達障害の可能性
幼稚園側が過去の行動を理由に発達障害を疑っていることに対して、疑問を感じるのは当然です。すでに状況が改善しているにも関わらず、過去の行動に固執することは、子どもの成長を妨げる可能性があります。しかし、幼稚園側の懸念も理解する必要があります。幼稚園は、子どもの安全を守り、集団生活を円滑に進める責任があります。そのため、気になる点があれば、慎重に対応しようとするのは自然なことです。
この状況で発達障害の可能性を判断するためには、以下の点を考慮する必要があります。
- 現在の状況： 落ち着いて集団行動ができている、指示に従える、友達とのトラブルが減っているなど、改善が見られるのであれば、発達障害の可能性は低いと考えられます。
- 発達検査の結果： 発達検査の結果が平均並みか平均以上であれば、発達障害の可能性はさらに低くなります。ただし、発達検査はあくまでも一つの指標であり、全てを決定づけるものではありません。
- 専門家の意見： 心理士や医師などの専門家の意見を聞き、総合的に判断することが重要です。幼稚園側の主張だけでなく、専門家の意見も参考にしながら、冷静に状況を評価しましょう。
5. 今後の対応：親御さんができること
この状況で、親御さんができることはたくさんあります。以下に具体的な対応策をまとめました。
- 専門家との連携： 心理士や医師などの専門家と連携し、継続的なサポートを受けましょう。発達検査の結果だけでなく、日々の生活での様子や困りごとを相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。
- 幼稚園とのコミュニケーション： 幼稚園の先生と積極的にコミュニケーションを取り、子どもの様子や困りごとを共有しましょう。先生の意見を聞き、子どもの成長を一緒に見守る姿勢が大切です。
- 子どもの観察： 子どもの日々の行動を注意深く観察し、どのような時に困っているのか、どのような時に楽しんでいるのかを把握しましょう。子どもの個性や得意なことを理解し、それを伸ばすような関わりを心がけましょう。
- 情報収集： 発達障害に関する情報を積極的に収集し、理解を深めましょう。書籍やインターネット、セミナーなどを活用し、正しい知識を得ることが重要です。
- 親御さんの心のケア： 子育ては大変なことも多く、悩みや不安を感じることもあるでしょう。一人で抱え込まず、家族や友人、専門家などに相談し、心のケアをしましょう。
これらの対応を通じて、お子さんの成長をサポートし、親御さん自身の心の負担を軽減することができます。
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6. 療育センターの活用
療育センターは、発達に遅れや偏りがある子どもたちを支援するための施設です。今回のケースでは、療育センターのケースワーカーさんのアドバイスが、親御さんの安心につながったようです。療育センターでは、子どもの発達段階に合わせた遊びや活動を通して、社会性やコミュニケーション能力を育むことができます。また、親御さん向けの相談や情報提供も行っています。療育センターの利用を検討することも、お子さんの成長をサポートする上で有効な手段です。
7. 発達障害の診断について
幼稚園から医師による正式な診断を勧められた場合、診断を受けるかどうかは、親御さんの判断によります。診断を受けることには、メリットとデメリットがあります。
- メリット：
- 診断を受けることで、発達障害の特性をより深く理解し、適切な支援方法を見つけることができる。
- 診断名があることで、保育園や学校、医療機関など、様々な機関からのサポートを受けやすくなる。
- 障害者手帳の取得や、特別支援教育の利用が可能になる場合がある。
- デメリット：
- 診断を受けることで、偏見や差別を受ける可能性がある。
- 診断を受けること自体が、親御さんの精神的な負担になる場合がある。
- 診断結果によっては、子どもの自己肯定感を損なう可能性がある。
診断を受けるかどうかは、子どもの状況や親御さんの考え方、そして周囲のサポート体制などを考慮して、慎重に判断する必要があります。専門家とよく相談し、子どもにとって最善の選択をしましょう。
8. 幼稚園との連携をスムーズにするために
幼稚園との連携をスムーズに進めるためには、以下の点を意識しましょう。
- 情報共有： 子どもの状況や困りごと、そして改善点などを、積極的に幼稚園の先生と共有しましょう。
- 協力体制： 幼稚園と協力して、子どもの成長をサポートする体制を作りましょう。
- 理解と共感： 幼稚園の先生の意見を尊重し、子どものために何ができるかを一緒に考えましょう。
- 定期的な面談： 定期的に先生と面談し、子どもの様子や今後の対応について話し合いましょう。
幼稚園との良好な関係を築くことで、子どもは安心して園生活を送ることができ、親御さんも安心して子どもの成長を見守ることができます。
9. まとめ：親御さんの不安を解消するために
今回のケースでは、幼稚園から発達障害を疑われ、親御さんが不安を感じている状況でした。しかし、その後の改善や発達検査の結果から、発達障害の可能性は低いと考えられます。それでも、幼稚園側の懸念や、今後の子どもの成長について、様々な疑問や不安があることでしょう。
親御さんができることはたくさんあります。専門家との連携、幼稚園とのコミュニケーション、子どもの観察、情報収集、そして親御さんの心のケアです。これらの対応を通じて、お子さんの成長をサポートし、親御さん自身の心の負担を軽減することができます。
発達障害の可能性について悩んでいる親御さんへ。まずは、焦らずに、子どもの様子を注意深く観察し、専門家と連携しながら、子どもの成長をサポートしていきましょう。そして、親御さん自身も、心身ともに健康な状態で、子育てを楽しんでください。
10. 専門家からのアドバイス
発達障害の専門家として、今回のケースについてアドバイスさせていただきます。まず、幼稚園側の懸念は理解できますが、すでに状況が改善しているという事実は非常に重要です。発達検査の結果も良好であり、現時点では発達障害の可能性は低いと考えられます。
しかし、今後のことを考えると、以下の点を意識していただきたいと思います。
- 継続的な観察： 子どもの日々の行動を注意深く観察し、何か気になる点があれば、専門家に相談しましょう。
- 早期の対応： もし、何らかの困難に直面した場合は、早期に適切な支援を受けましょう。
- 柔軟な対応： 子どもの成長は変化します。状況に応じて、柔軟に対応し、最適なサポートを提供しましょう。
そして、何よりも大切なのは、親御さんが子どものことを理解し、愛情を持って接することです。親御さんの愛情とサポートがあれば、子どもは必ず成長し、困難を乗り越えることができます。
最後に、今回のケースを通して、発達障害の早期発見と適切なサポートがいかに重要であるかを改めて感じました。発達障害の疑いがある場合は、専門家と連携し、早期に適切な支援を開始することが大切です。そして、親御さん自身も、子どもの成長を信じ、前向きに子育てに取り組んでください。
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