少年野球を続けるべき？発達障害の息子が直面する「自己肯定感」と「居場所」問題へのキャリアコンサルタント的アドバイス

この記事では、発達障害を持つお子さんの少年野球への参加について悩む親御さんに向けて、キャリアコンサルタントとしての視点から、自己肯定感の育成、多様な働き方（今回は「居場所」の選択肢）との関連性、そして将来のキャリア形成を見据えた具体的なアドバイスを提供します。自己肯定感の低さや、集団生活への不安を抱えるお子さんが、どのようにして自分らしい「居場所」を見つけ、成長していけるのか。具体的な事例を交えながら、一緒に考えていきましょう。

発達障害の息子に少年野球を続けさせるか悩んでいます。

私の息子（小3）は、今までにADHD→高機能自閉症・広汎性発達障害の診断を受け、今は国語と算数だけ支援学級に在籍しています。

私たちの住む町は山奥の田舎で人口も少なく、もちろん小学校も小人数です。

息子の同級生は16人で、そのうち男の子は息子を含めて5人しかいません。

小学校には少年野球チームがあり、2年生から入団出来ます。

昨年、2年生になると息子の同級生4人は全員すぐに入団し、息子も1週間遅れで野球をはじめました。

野球に特に興味があった訳ではないのですが、やはり同級生の中で一人だけ外れてしまうことにかなり抵抗があったようです。

障害の特性で、力のコントロールや均衡感覚が難しい息子はかなり練習で苦労していましたが、1度も休まず頑張って練習に通っています。

もともと男子児童の少ない小学校なので、秋に6年生が引退すると、2～5年生でギリギリ9人しか部員がおらず、昨年秋から今年の夏までの試合は無条件に全員レギュラーの状態でした。

しかし、今年は新入部員の2年生が7人もおり、皆かなり運動神経が良いです。

はっきり言って、低緊張やバランス感覚に難のある息子では2年生にかないません。

もうすぐ6年生最後の秋季大会があります。

そのため、今は2年生VS 3年生でレギュラー争奪のテストをしているそうです。

テストで勝った方が試合に出られるということらしいのですが、やはり息子は2年生に負けてしまったようで「3年生で俺だけ試合に出られない」ととても落ち込んでいます。

2年生も練習を頑張っていますし、勝負の世界ですので、結果を出せる上手い選手が試合に出るのは当然のことと思います。

そのことに関しては私も監督やコーチに異論を唱えるつもりはありません。

ただ、医師や心理士の先生方からは「成功体験をたくさんさせてあげること」「上手くできて褒めてもらうことで自己肯定ができる。そういう場面をたくさん作ってあげること」といつもアドバイスされており、それはその通りだと思います。

超ネガティブで悪い方にばかり考える息子は自己否定の塊のような状態で、常にイライラして「俺なんか死ねばいい」「なにをやってもうまくいかない」が口癖です。

このまま野球を続けたら、自己肯定なんてできないんじゃないか。どんどん卑屈になってさらにマイナス思考になるのでは・・・という不安があります。

実際、心理士の先生のひとりには「野球は辞めた方がいい」と言われたこともあります。

しかし、せっかく今まで頑張って続けた野球をあっさりやめていいものか。努力して継続することも大事ではないか。同級生の男子で一人だけ外れて、教室で浮いてしまわないか・・・という不安もあります。

息子本人は野球を続けたいような辞めたいような・・・といった感じではっきり結論は出せないようです。

辞めたら後悔しそうだし、でも続けても下手くそだから皆に馬鹿にされるし、時々コーチに褒められたら嬉しいこともあるし・・・と、堂々巡りです。

ちなみに、監督には息子の障害のことは話してあります。監督もコーチも優しい方で、怒鳴られたりすることはありません。

長文で読みにくく申し訳ありませんが、第三者からのご意見を聞きたいです。宜しくお願い致します。

1. 自己肯定感と「居場所」：発達障害のお子さんにとって大切なこと

ご相談ありがとうございます。発達障害のお子さんの少年野球への参加について、様々な葛藤を抱えていらっしゃるお気持ち、大変よく理解できます。自己肯定感の低さ、周囲との関係性、そして将来への不安。これらは、発達障害のお子さんを持つ親御さんが直面する、共通の悩みです。

まず、今回の相談で最も重要な点は、息子さんの自己肯定感をどのように育むか、ということです。自己肯定感は、困難を乗り越え、自分らしく生きるための基盤となります。そして、自己肯定感を育むためには、「成功体験」と「居場所」が不可欠です。

成功体験：小さな成功体験を積み重ねることが重要です。野球に限らず、得意なこと、興味のあることを見つけ、そこで「できた！」という喜びを経験することが、自己肯定感を高めます。
居場所：安心して自分らしくいられる場所、つまり「居場所」があることが大切です。学校、家庭、習い事、地域活動など、様々な場所に「居場所」を持つことで、子どもたちは自己肯定感を育み、社会性を身につけていきます。

今回のケースでは、少年野球が息子さんにとって「居場所」になっているのか、自己肯定感を高める場になっているのか、という点が重要な判断材料となります。

2. 少年野球を続けることのメリットとデメリット

少年野球を続けることには、メリットとデメリットの両方があります。それぞれの側面を客観的に見ていきましょう。

メリット

継続する力：努力を継続する経験は、将来のキャリア形成において非常に重要です。困難に直面しても諦めずに努力する姿勢は、社会に出ても役立ちます。
体力向上と健康：運動することで体力や健康が向上し、心身ともに良い影響を与えます。
仲間との交流：チームメイトとの交流を通じて、協調性やコミュニケーション能力を育むことができます。
監督やコーチからのサポート：監督やコーチが理解のある方であれば、息子さんの特性に合わせた指導やサポートを受けられる可能性があります。

デメリット

自己肯定感の低下：試合に出られない、他の子に比べて上手くできない、といった経験が続くと、自己肯定感が低下する可能性があります。
精神的な負担：試合に出られないことによる落胆、周囲からの評価への不安など、精神的な負担が増える可能性があります。
時間の制約：練習や試合に多くの時間を費やすことで、他の活動に割ける時間が減る可能性があります。
周囲との比較：どうしても周囲の子供たちと比較してしまい、劣等感を感じてしまう可能性があります。

3. 少年野球を続けるか、辞めるか？決断のポイント

少年野球を続けるか、辞めるかの決断は、非常に難しいものです。親御さんだけで決めるのではなく、息子さんの気持ちを尊重し、一緒に考えることが大切です。以下の点を参考に、息子さんと話し合ってみましょう。

息子さんの気持ちを確認する

野球への気持ち：野球を「楽しい」と感じているのか、「辞めたい」と思っているのか、率直な気持ちを聞き出しましょう。
試合に出られないことへの気持ち：試合に出られないことについて、どのように感じているのか、具体的に尋ねてみましょう。「悔しい」「つまらない」「恥ずかしい」など、様々な感情があるかもしれません。
チームメイトとの関係：チームメイトとの関係性について、どのように感じているのか、聞いてみましょう。仲間との交流が楽しいと感じているのか、それとも疎外感を感じているのか。

メリットとデメリットを整理する

少年野球を続けること、辞めることのメリットとデメリットを、息子さんと一緒に整理してみましょう。それぞれの選択肢が、息子さんの自己肯定感や将来にどのような影響を与えるのか、具体的に考えてみましょう。

代替案を検討する

もし少年野球を辞めることになった場合、他の選択肢を提示し、息子さんの興味や関心に合った活動を見つけることが重要です。例えば、

他のスポーツ：水泳、陸上、バスケットボールなど、息子さんの特性に合ったスポーツを探してみましょう。
習い事：プログラミング、絵画、音楽など、息子さんの興味のある習い事を検討してみましょう。
地域活動：地域のボランティア活動や、子供向けのイベントに参加してみましょう。

これらの代替案を提示することで、息子さんは「野球を辞めたら何もすることがなくなる」という不安を軽減し、前向きな気持ちで次のステップに進むことができます。

4. 自己肯定感を高めるための具体的な方法

少年野球を続けるにしても、辞めるにしても、息子さんの自己肯定感を高めるためのサポートは不可欠です。具体的な方法をいくつかご紹介します。

成功体験を積み重ねる

得意なことを見つける：息子さんの得意なこと、興味のあることを見つけ、積極的に取り組めるようにサポートしましょう。
小さな目標を設定する：達成可能な小さな目標を設定し、それをクリアするたびに褒めてあげましょう。「今日は10回キャッチボールを頑張ろう」など、具体的な目標を設定することが効果的です。
努力を認める：結果だけでなく、努力した過程を褒めてあげましょう。「一生懸命練習したね」「諦めずに頑張ったね」など、努力を認める言葉をかけることが重要です。

コミュニケーションを密にする

話を聞く：息子さんの話に耳を傾け、気持ちを理解しようと努めましょう。否定的な言葉を使わず、共感する姿勢を示すことが大切です。
褒める：良いところを見つけ、具体的に褒めてあげましょう。「字が上手になったね」「優しいね」など、具体的な言葉で褒めることが効果的です。
一緒に楽しむ：一緒に遊んだり、趣味を共有したりすることで、親子の絆を深めましょう。

専門家のサポートを受ける

医師や心理士との連携：定期的に医師や心理士に相談し、専門的なアドバイスを受けましょう。
療育：必要に応じて、療育（発達支援）を受けることも検討しましょう。
情報収集：発達障害に関する情報を積極的に収集し、知識を深めましょう。

5. 将来のキャリア形成を見据えた「居場所」の選択

今回の相談は、将来のキャリア形成とも深く関わっています。発達障害のあるお子さんが、自分らしい「居場所」を見つけ、社会の中で自立していくためには、早期からのキャリア教育が重要です。

「居場所」とは、単に「所属する場所」という意味だけではありません。自己肯定感を育み、社会性を身につけ、将来のキャリアにつながる可能性を秘めた場所を指します。

少年野球を続けるか、辞めるかの選択も、将来のキャリア形成における「居場所」選びの第一歩と捉えることができます。例えば、

野球を続ける場合：チームの中で役割を見つけ、貢献することで、自己肯定感を高め、協調性やリーダーシップを育むことができます。
野球を辞める場合：他のスポーツや習い事、地域活動などを通じて、新たな「居場所」を見つけ、自己肯定感や社会性を育むことができます。

大切なのは、息子さんが自分らしくいられる場所を見つけ、そこで様々な経験を積み重ねることです。その経験が、将来のキャリア形成の基盤となります。

将来のキャリアを考える上で、以下の点を意識しましょう。

自己理解：自分の強みや弱み、興味や関心を深く理解することが重要です。
多様な選択肢：正社員だけでなく、フリーランス、起業、副業など、多様な働き方があることを知っておきましょう。
スキルアップ：自分の強みを活かせるスキルを磨き、常に学び続ける姿勢を持ちましょう。
情報収集：キャリアに関する情報を積極的に収集し、自分に合った働き方を探しましょう。

発達障害のあるお子さんのキャリア形成は、一筋縄ではいかないこともあります。しかし、適切なサポートと、本人の努力があれば、必ず自分らしいキャリアを築くことができます。

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6. まとめ：息子さんの「居場所」を一緒に探しましょう

発達障害のお子さんの少年野球への参加について、様々な角度からアドバイスをさせていただきました。自己肯定感を高め、自分らしい「居場所」を見つけることは、息子さんの将来にとって非常に重要です。

今回の相談では、少年野球を続けるか、辞めるかの選択が焦点となりましたが、どちらを選ぶにしても、息子さんの気持ちを尊重し、一緒に考えることが大切です。そして、自己肯定感を高めるための具体的なサポートを継続的に行うことが重要です。

息子さんが、自分らしく輝ける「居場所」を見つけ、将来、自信を持って社会で活躍できることを心から願っています。親御さん、そして周りの大人が、息子さんの成長を温かく見守り、サポートしていくことが、何よりも大切です。

この情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。もし、さらに詳しいアドバイスが必要な場合は、お気軽にご相談ください。

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