「怪我をさせない」だけじゃない！放課後児童クラブで子どもたちの成長を促すためにできること
「怪我をさせない」だけじゃない！放課後児童クラブで子どもたちの成長を促すためにできること
この記事では、放課後児童クラブで働くあなた、そして子どもの成長を願うすべての人に向けて、子どもたちの「遊び」と「安全」を両立させるための具体的な方法を提案します。子どもの安全を守りながら、どのようにして彼らの創造性や主体性を育むことができるのか、一緒に考えていきましょう。
怪我をさせないだけの保育でいいんでしょうか？ 放課後児童クラブでの遊びについて所長と意見が違っています。保育の充実は不要という所長。放課後児童クラブのあり方についてご意見をお願いします。
ぜひ、保育関係の方だけでなく、保護者の視点からでもご意見をお願いします。
現在、放課後児童クラブに市の職員（正職員）として勤務しています。
正職員は私と所長の２名。後は臨時職員です。
また学童だけではなく預かり保育事業として幼稚園の子供も預かっています。
明日はハロウィン。幼稚園の部の何人かの子供がハロウィンごっこということでマスクを作ったり、マントをつけたりして遊んでいました。
そこに学童の子がお化けのお面を被ってやってきました。
幼稚園の部の子供達は大喜びでキャアキャアと部屋の中を走り始めました。
部屋の中では原則走らないのが基本。
でも、たまたま休みも多く人数は１０人程度。
転んだり怪我の無いようにすればいいかな、と思い床に散らばっていた積み木やままごとの片づけをさせて部屋を広くしてから、学童の子供達に入って貰い、ミニ鬼ごっこのような形で楽しみました。
学童の子供達はゆっくり歩き、幼稚園の子供達は走って逃げる。
私も、明日のハロウィン用に用意しておいた仮装の服を着て、おいかける役をやりながら子供達を見ていました。
と、そこに所長が来て
「どうして部屋の中で走っているの！」
と一喝。学童の子供達を部屋に返し、幼稚園の子供達に部屋の中で走ってはいけない。と注意をしました。
遊んであげていた学童の子も危ないからああいうことはしてはいけないと後で注意を受けたようです。
保育終了後、
「今日の保育でどうしてあんなことをしたの？」
と問われました。
部屋の中で走ってはいけないというのは確かに決まりですが、意図ある保育活動として十分な対応をした上で保育士も側にいる状況なら問題ないかと思ったことを話すと
「部屋の中で走って転んで怪我をしたらどうするの？ 保護者から苦情が来たときだれが責任をとるの。怪我をしたって訴えられたらあなたが責任をとるの？」
と言われました。
そして
「放課後児童クラブにおいては怪我をさせないことが第一だ。保育活動の充実や子供達を楽しませるなどは考えなくていい」
「怪我をさせない活動をさせなさい」
という話になりました。
怪我をさせないようにすることは勿論大事です。
十分な注意はしなくてはならないと思います。
でも、怪我をさせないだけの、保護者から苦情を受けないだけの保育でいいのでしょうか？
冬が近づき、外で遊べる時間は短くなっています。
子供達のストレスがたまっているだろうし、何より行事に関連した子供達から出てきた活動。
確かに室内で走ってはいけないというのはルールですが廊下ではなく畳敷きの保育室。
そこである程度の安全対策を行った上で行った活動は「やってはいけない」と注意されるほど問題のあることでしょうか？
私個人は、転ぶ、怪我をするも一つの経験であり、幼児、学童期に体験するべきことではないかと思います。
勿論怪我はさせないように注意していますが、思わぬことで怪我をしてしまう事もあります。
だから、怪我をしない活動をさせる。ではなくどうしたら怪我をしないように遊べるかを考えさせることが大事なのではないかと思います。
その上で、もし怪我をしてしまったらその旨を保護者に誠実に伝えて謝罪すれば、理解して貰えるのではないかと思っています。
モンスターペアレントのような保護者の割と少ない田舎であるからかもしれませんが甘い考えでしょうか？
来年定年を迎えるこの所長についていろいろ思う事はあります。
子供達の意見を取り入れた月に一度のリクエストおやつを
「子供達のいう事を聞くばかりが子供の為になるわけではない」
と廃止し、駄菓子おやつは禁止、飴も喉に詰まるかもしれないからダメ。
と果物、野菜のおやつ中心にしたり
子どもの頑張りを褒めて、はんこを押して最後に小さなご褒美が貰えるというスタンプカードを
「そういう物などで釣るような保育はよくない。またやらなかった子とやった子の差がついてやらなかった子が貰った子を羨ましがって傷つく」
と廃止したり。
手作りおやつや子供達と一緒に作るおやつを
「衛生面の問題があるから」「時間がかかるから」
と廃止したり。
そこには所長なりの理想があるのだろうと思い従っていますが、怪我をさせないだけの保育、保護者から苦情がでないようにしつけや勉強だけ強く教える保育でいいのでしょうか？
疑問に思います。
保育関係の方だけでなく、保護者の視点からも良ければ御意見を頂けますと幸いです。
よろしくお願いします。
はじめに：安全と成長を両立させるために
放課後児童クラブは、子どもたちが安全に過ごせる場所であると同時に、成長を促す場であるべきです。しかし、安全を最優先するあまり、子どもの主体性や創造性を抑圧してしまうケースも少なくありません。今回の相談内容を読み解くと、まさにそのジレンマに直面している状況が見えてきます。この記事では、安全を確保しながら、子どもたちの成長を促すための具体的な方法を提案します。
1. なぜ「怪我をさせない」だけではいけないのか？
所長の「怪我をさせないことが第一」という考え方は、一見すると当然のことのように思えます。しかし、この考え方だけでは、子どもたちの成長を阻害してしまう可能性があります。なぜなら、
- 経験からの学びの機会を奪う：子どもたちは、遊びや活動を通して、転んだり、ぶつかったりすることで、身体能力やバランス感覚を身につけます。また、危険を回避する方法や、自分の限界を知ることも学びます。
- 主体性や創造性を阻害する：子どもたちが自由に遊び、自分の興味関心に基づいて活動する中で、創造性や問題解決能力が育まれます。「やってはいけない」という制限ばかりでは、子どもたちは指示されたことしかできなくなり、主体性を失ってしまいます。
- 社会性の発達を妨げる：遊びを通して、子どもたちは友達とのコミュニケーションや、ルールを守ること、協力することなどを学びます。安全を過度に重視するあまり、遊びの機会を奪うことは、社会性の発達を妨げることにつながります。
2. 安全を確保しながら、子どもの成長を促すための具体的な方法
では、どのようにすれば、安全を確保しながら、子どもたちの成長を促すことができるのでしょうか。具体的な方法をいくつか紹介します。
2-1. リスク管理と安全対策の徹底
安全を確保することは、子どもたちの成長を促すための大前提です。以下の点に注意して、リスク管理と安全対策を徹底しましょう。
- 事前の準備：遊びや活動を行う前に、危険な場所がないか、安全な環境が整っているかを確認します。例えば、ハロウィンの遊びであれば、床に物を置かない、走る範囲を限定するなどの工夫が必要です。
- 適切な指導：子どもたちに、遊び方やルールの説明を丁寧に行い、危険な行為をしないように指導します。年齢や発達段階に合わせて、わかりやすい言葉で説明することが大切です。
- 見守り：子どもたちの遊びや活動を注意深く見守り、危険な状況が発生した場合は、すぐに注意したり、助けたりします。
- 緊急時の対応：万が一、怪我をしてしまった場合に備えて、応急処置の方法を習得し、必要な医療機関への連絡体制を整えておく必要があります。
2-2. 子どもたちの主体性を尊重した遊びの提供
子どもたちの主体性を尊重し、彼らが自ら遊びを選び、創造性を発揮できるような環境を整えましょう。
- 自由な遊びの時間の確保：子どもたちが自由に遊べる時間を十分に確保し、彼らの興味関心に基づいて遊びを選択できるようにします。
- 遊びのバリエーションの提供：様々な種類の遊び道具や、遊びのアイデアを提供し、子どもたちが飽きないように工夫します。例えば、工作コーナー、絵本コーナー、運動遊びができるスペースなどを用意します。
- 子どもの意見を取り入れる：子どもたちの意見を聞き、遊びの内容やルールに反映させることで、彼らの主体性を育みます。例えば、月に一度、子どもたちがやりたい遊びをリクエストできる「リクエストおやつ」のような企画を取り入れるのも良いでしょう。
2-3. 失敗から学ぶ経験を促す
子どもたちは、失敗を通して多くのことを学びます。失敗を恐れずに挑戦できるような環境を整え、彼らの成長を促しましょう。
- 失敗を許容する：子どもたちが失敗しても、頭ごなしに叱るのではなく、なぜ失敗したのかを一緒に考え、次へのステップにつなげられるようにサポートします。
- 挑戦を促す：新しいことに挑戦することを奨励し、成功した場合は、その努力を褒めてあげましょう。
- 自己肯定感を育む：子どもたちが、自分の能力を信じ、自信を持って行動できるように、自己肯定感を育むような言葉がけを心がけましょう。
2-4. 保護者との連携
保護者との連携を密にすることで、子どもたちの安全を守り、彼らの成長をサポートすることができます。
- 情報共有：日々の活動内容や、子どもの様子を保護者に伝え、情報共有を行います。
- 意見交換：保護者からの意見を聞き、保育に反映させることで、より良い環境を整えることができます。
- 理解と協力：保護者に、子どもの成長にとって遊びがいかに大切かを説明し、理解と協力を求めます。例えば、怪我のリスクについて説明し、万が一の際の対応について事前に話し合っておくことも重要です。
3. 所長とのコミュニケーション：建設的な対話のために
所長との意見の相違を解決するためには、建設的な対話が不可欠です。以下の点に注意して、コミュニケーションを図りましょう。
- 目的の共有：所長と、子どもたちの成長を願うという共通の目的を確認し、そのために何ができるのかを一緒に考えましょう。
- 根拠に基づいた説明：安全を確保しながら、子どもの成長を促すことの重要性を、具体的な事例やデータに基づいて説明しましょう。
- 代替案の提示：所長の懸念を理解した上で、安全を確保するための具体的な代替案を提示しましょう。例えば、室内での鬼ごっこを、安全な場所で、ルールを設けて行うなどの提案ができます。
- 歩み寄り：お互いの意見を尊重し、妥協点を見つける努力をしましょう。
- 第三者の意見：必要に応じて、専門家や他の職員の意見を聞き、客観的な視点を取り入れましょう。
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4. 具体的な事例：成功への道しるべ
実際に、安全を確保しながら、子どもたちの成長を促すことに成功している放課後児童クラブの事例を紹介します。
- 事例1：冒険遊び場の導入：ある放課後児童クラブでは、子どもたちが自由に遊べる「冒険遊び場」を導入しました。そこには、木材やロープなど、子どもたちが創造性を活かして遊べる素材が用意されています。子どもたちは、自分たちで秘密基地を作ったり、アスレチックを作ったりして、身体能力や創造性を育んでいます。安全面では、大人が見守り、危険な箇所には注意喚起を行うなど、リスク管理を徹底しています。
- 事例2：異年齢交流の促進：別の放課後児童クラブでは、異年齢の子どもたちが一緒に遊ぶ機会を積極的に作っています。年上の子どもたちは、年下の子どもたちの面倒を見ることで、思いやりや責任感を育み、年下の子どもたちは、年上の子どもたちから様々なことを学び、成長を促しています。安全面では、大人が遊びのルールを決め、子どもたちが安全に遊べるようにサポートしています。
- 事例3：地域との連携：ある放課後児童クラブでは、地域の人々との交流を積極的に行っています。地域のお祭りやイベントに参加したり、地域の人々を招いて、昔遊びを教えてもらったりしています。子どもたちは、地域の人々との交流を通して、社会性を育み、地域への愛着を深めています。安全面では、地域の人々と協力して、安全な環境を整えています。
5. まとめ：子どもの未来を育むために
放課後児童クラブは、子どもたちの安全を守るだけでなく、彼らの成長を促す場であるべきです。「怪我をさせない」ことだけを優先するのではなく、リスク管理を徹底しながら、子どもたちの主体性や創造性を尊重した遊びを提供することが重要です。所長とのコミュニケーションを重ね、保護者との連携を密にし、子どもたちの未来を育むために、共に努力していきましょう。
6. よくある質問（Q&A）
この章では、今回のテーマに関連するよくある質問とその回答を紹介します。
Q1: 室内での遊びで、どうしても子どもたちが走り回ってしまう場合はどうすれば良いですか？
A1: 室内での遊びで子どもたちが走り回ってしまう場合は、まず安全な場所を確保し、ルールを設けることが重要です。例えば、走る範囲を限定したり、走る時間帯を決めるなど、具体的なルールを子どもたちと一緒に話し合って決めましょう。また、クッション性のあるマットを敷いたり、家具の配置を工夫するなど、安全対策を徹底することも大切です。遊びの内容を工夫することも有効です。鬼ごっこをする場合は、大人が鬼役になり、子どもたちが安全に遊べるように見守りましょう。
Q2: 保護者から「怪我をしたらどうするんだ」と強く言われた場合は、どのように対応すれば良いですか？
A2: 保護者から「怪我をしたらどうするんだ」と強く言われた場合は、まず保護者の不安な気持ちを理解し、共感することが大切です。その上で、安全対策を徹底していること、万が一の際の対応について説明し、安心してもらえるように努めましょう。例えば、怪我をした場合の連絡体制や、加入している保険について説明するのも有効です。また、日頃から、子どもの活動内容や様子を保護者に伝え、信頼関係を築いておくことも重要です。
Q3: 所長との意見がどうしても合わない場合は、どうすれば良いですか？
A3: 所長との意見がどうしても合わない場合は、まず、お互いの意見を冷静に聞き、理解しようと努めましょう。その上で、共通の目的（子どもの成長）を確認し、そのために何ができるのかを一緒に考えましょう。必要であれば、第三者の意見を聞いたり、上司に相談したりすることも有効です。最終的には、妥協点を見つけ、協力して子どもたちのために最善の選択をすることが重要です。
Q4: 子どもたちの主体性を尊重しすぎると、わがままになるのではないかと心配です。どのようにバランスを取れば良いですか？
A4: 子どもたちの主体性を尊重することと、わがままになることは、必ずしもイコールではありません。主体性を育むためには、子どもたちが自分の意見を表明し、選択する機会を与えることが重要ですが、同時に、ルールを守ることや、他者との協調性を学ぶことも大切です。例えば、遊びのルールを子どもたちと一緒に決めたり、困っている友達を助けることを促すなど、社会性を育むような関わりを意識しましょう。大人が一方的に指示するのではなく、子どもたちの意見を聞きながら、一緒に考えていく姿勢が重要です。
Q5: 遊びのアイデアがなかなか思いつかない場合は、どうすれば良いですか？
A5: 遊びのアイデアがなかなか思いつかない場合は、他の職員と協力したり、インターネットや書籍で情報を収集したり、様々な方法を試してみましょう。例えば、他の放課後児童クラブの事例を参考にしたり、子どもたちの興味関心を探るために、アンケートを取ったりするのも良いでしょう。また、子どもたち自身に、どんな遊びがしたいか尋ねることも有効です。子どもたちの意見を取り入れながら、一緒に遊びを創造していくことが大切です。
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