更新料を払わない「法定更新」は可能？賃貸契約の疑問を徹底解説！
更新料を払わない「法定更新」は可能？賃貸契約の疑問を徹底解説！
賃貸契約の更新時に発生する更新料。これは、多くの賃貸入居者が抱える疑問の一つです。特に、現在の住まいに長く住んでいる場合、更新料の支払いを続けることに疑問を感じる方もいるでしょう。
今回の記事では、賃貸契約の更新料と法定更新に関する疑問について、具体的なケーススタディを交えながら解説します。法定更新とは何か、更新料を支払わないためにはどうすれば良いのか、大家さんの要求はどこまで受け入れる必要があるのか、といった疑問にお答えします。この記事を読むことで、ご自身の賃貸契約に関する知識を深め、より有利な条件で更新を進めるためのヒントが得られるでしょう。
現在賃貸のアパート（２DK）に夫婦で住んで６年目になりますがこのアパートは２年ごと更新手続きの際に更新料を支払ってまいりましたが、今回更新するにあたり更新料を支払わない「法定更新」にて更新を行いたいと仲介不動産屋の方へ申し出たところアパートを所有する大家さんへ確認するとの事で以下の回答を受けました。
仲介不動産屋から受けた大家さんからの回答
→法定更新は原則認めない、もし法定更新を希望するのなら 現在住んでる部屋を解約し→再契約を行い「敷金」・「礼金」を２ヶ月分支払え。 若しくは退去を要求する。
との回答でした。
当方は退去するつもりは無く、これまで家賃・更新料の滞納などのトラブル等も無く現状のまま使用を継続したいと考えており「合意更新」・「法定更新」にせよこれから更新料について支払う契約を盛り込まない内容で更新をしたいと思っていますが、今回大家さん側の要求する上記の事に貸借人は従わなくてはいけないのでしょうか？
大家さんの「敷金」・「礼金」を支払えとの内容についても通常は退去時の部屋の現状復帰に使用される費用だと認識してますが、それらも既に入居時に支払っているので２重に請求されている様で当方は理解し難いです。
当方は今後更新料を支払わない法定更新を行いたいと思ってますが上記要求の妥当性についてお詳しい方がおられましたら何とぞアドバイスのほど宜しくお願い致します。
法定更新とは？
法定更新とは、賃貸借契約の期間が満了する際に、契約の更新に関する特別な手続きをすることなく、従前の契約と同一の条件で契約が自動的に更新される制度です。これは、借地借家法という法律によって定められています。具体的には、契約期間満了時に、大家さんと入居者の間で契約更新に関する話し合いがまとまらなかった場合や、大家さんが更新を拒否する正当な理由がない場合に、法定更新が適用されます。
法定更新が適用されると、更新料を支払う必要がない場合があります。これは、法定更新によって更新後の契約内容が基本的に従前の契約と同一になるためです。ただし、契約内容によっては、更新料に関する条項が残っている場合もありますので、注意が必要です。
更新料を支払わない「法定更新」のメリットとデメリット
法定更新を選択することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。メリットとしては、まず更新料の支払いを回避できる点が挙げられます。更新料は、賃料の1ヶ月分など、まとまった金額になることが多く、家計への負担が大きくなります。法定更新であれば、この負担を軽減できます。
一方、デメリットとしては、契約条件が固定される点が挙げられます。法定更新の場合、基本的に従前の契約内容が継続されるため、家賃交渉やその他の条件変更が難しくなります。また、大家さんとの関係が悪化する可能性も考慮する必要があります。法定更新を主張することで、大家さんとの間で摩擦が生じ、その後の賃貸生活に影響が出ることも考えられます。
更新料に関する法的根拠
更新料の支払いは、法律で義務付けられているものではありません。更新料の支払いは、賃貸借契約書に記載されている場合に、その契約内容に基づいて行われます。しかし、契約書に更新料に関する条項が明記されていない場合や、更新料の金額が不当に高額である場合は、その有効性が争われることもあります。
借地借家法では、賃貸借契約の更新に関する規定が定められており、更新料についても言及されています。具体的には、更新料の金額が「社会通念上相当」である場合に、その支払いが認められるとされています。これは、更新料の金額が、地域の相場や物件の状況などを考慮して、妥当な範囲内である必要があるという意味です。
法定更新を希望する場合の注意点
法定更新を希望する場合は、いくつかの注意点があります。まず、契約期間満了前に、大家さんまたは管理会社に対して、更新の意思を明確に伝える必要があります。この際、更新料を支払わない「法定更新」を希望する旨を伝えても良いでしょう。ただし、大家さんとの間でトラブルになる可能性も考慮し、慎重な対応が必要です。
次に、契約書の内容をよく確認しましょう。更新料に関する条項がどのように記載されているか、更新料の金額はいくらか、などを確認し、疑問点があれば、専門家（弁護士や不動産鑑定士など）に相談することも検討しましょう。
さらに、大家さんとの交渉も必要になる場合があります。法定更新を希望する場合でも、大家さんとの間で話し合いを行い、双方が納得できる条件で更新できるよう努めることが重要です。交渉の際には、法律や契約に関する知識を活かし、冷静かつ客観的に対応しましょう。
大家さんの要求に対する対応
今回のケースのように、大家さんから「法定更新を希望するなら、敷金・礼金を再度支払え」という要求があった場合、どのように対応すべきでしょうか。この要求の妥当性について、法的観点から検討してみましょう。
まず、敷金と礼金についてですが、これらはそれぞれ異なる性質を持っています。敷金は、賃貸借契約終了時に、原状回復費用や未払い賃料に充当されるものであり、礼金は、賃貸借契約の締結に対する対価として支払われるものです。今回のケースでは、入居時に既に敷金と礼金を支払っているため、再度支払う必要はないと考えられます。ただし、契約内容によっては、更新時に礼金の支払い義務が発生する条項が含まれている場合もありますので、契約書をよく確認する必要があります。
次に、法定更新を認めない、解約して再契約を求めるという要求についてです。これは、大家さん側の意向であり、必ずしも法的根拠があるとは限りません。法定更新は、借地借家法によって認められた権利であり、大家さんが一方的に拒否できるものではありません。ただし、大家さんが更新を拒否する正当な理由がある場合は、この限りではありません。例えば、入居者が家賃を滞納している、建物を故意に破損した、といった場合は、更新を拒否される可能性があります。
今回のケースでは、入居者側に家賃滞納や建物の破損といった問題がないため、大家さんの要求を全て受け入れる必要はないと考えられます。まずは、大家さんとの間で話し合いを行い、法定更新を希望する旨を伝え、更新料の支払いについて交渉してみましょう。もし、交渉がまとまらない場合は、専門家（弁護士など）に相談し、法的アドバイスを受けることも検討しましょう。
更新料を支払わないための具体的なステップ
更新料を支払わないために、具体的にどのようなステップを踏むべきでしょうか。以下に、具体的なステップをまとめました。
- 契約書の確認: まずは、現在の賃貸借契約書をよく確認しましょう。更新料に関する条項がどのように記載されているか、更新料の金額はいくらか、などを確認します。
- 大家さんまたは管理会社への連絡: 契約期間満了前に、大家さんまたは管理会社に対して、更新の意思を明確に伝えます。この際、更新料を支払わない「法定更新」を希望する旨を伝えても良いでしょう。
- 交渉: 大家さんとの間で、更新料の支払いについて交渉を行います。法定更新を希望する理由や、更新料を支払わないことによるメリットなどを説明し、理解を求めましょう。
- 専門家への相談: 交渉がまとまらない場合や、法的知識に不安がある場合は、専門家（弁護士や不動産鑑定士など）に相談しましょう。専門家は、あなたの状況に合わせて、適切なアドバイスをしてくれます。
- 内容証明郵便の送付: 大家さんとの交渉が難航し、法的措置を検討する場合は、内容証明郵便を送付することも有効です。内容証明郵便は、誰が誰に対して、どのような内容の文書を送ったかを証明するもので、法的効力を持つ場合があります。
更新料に関するよくある質問（FAQ）
以下に、更新料に関するよくある質問とその回答をまとめました。
- Q: 更新料は必ず支払わなければならないのですか？
A: いいえ、必ずしも支払う必要はありません。更新料の支払いは、賃貸借契約書に記載されている場合に、その契約内容に基づいて行われます。法定更新の場合は、更新料を支払う必要がない場合があります。 - Q: 更新料の金額は決まっているのですか？
A: 更新料の金額は、法律で定められているわけではありません。一般的には、賃料の1ヶ月分程度が相場とされていますが、物件の状況や地域の慣習によって異なります。 - Q: 更新料が高すぎる場合はどうすれば良いですか？
A: 更新料が高すぎる場合は、大家さんとの間で交渉することができます。更新料の金額が「社会通念上相当」ではないと判断される場合は、その支払いを拒否することも可能です。専門家（弁護士など）に相談することも検討しましょう。 - Q: 法定更新になった場合、契約内容はどのように変わりますか？
A: 法定更新になった場合、基本的に従前の契約内容が継続されます。ただし、更新料に関する条項が残っている場合や、家賃が変更される場合もありますので、注意が必要です。 - Q: 更新料を支払わないと、退去を迫られることはありますか？
A: 更新料の支払いを拒否したからといって、直ちに退去を迫られるわけではありません。ただし、大家さんとの間でトラブルになり、その結果、退去を余儀なくされる可能性はあります。
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まとめ
この記事では、賃貸契約の更新料と法定更新について解説しました。法定更新とは何か、更新料を支払わないためにはどうすれば良いのか、大家さんの要求はどこまで受け入れる必要があるのか、といった疑問にお答えしました。賃貸契約に関する知識を深め、より有利な条件で更新を進めるために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
賃貸契約は、日々の生活に密接に関わる重要な契約です。更新料や法定更新に関する知識を身につけ、ご自身の権利を守りながら、快適な賃貸生活を送ってください。
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