保育園・幼稚園での子どもの薬の預かり問題：保育士の対応と親御さんのための対策
保育園・幼稚園での子どもの薬の預かり問題：保育士の対応と親御さんのための対策
この記事では、保育園や幼稚園での子どもの薬の預かりに関する問題について、保護者の皆様が抱える疑問や不安を解消するための情報を提供します。特に、熱性けいれんの既往があるお子さんを持つ親御さんにとって、保育園や幼稚園での対応は非常に重要な問題です。薬の預かりの可否、保育士の対応、そして万が一の事態に備えるための具体的な対策について、詳しく解説していきます。
2歳3ヶ月の娘がいます。先月熱性けいれん重積で入院し、その際、今後のためにけいれん止めをいただきました。先生に「幼稚園などに行きだしたら、園に預けておくといいですよ」と言われ安心していたんですが、保育士の友達に「園では責任問題になるから薬の投薬はしてくれないよ」と言われました。
実際はどうなんでしょうか？
例えばてんかんのお子さんもいたりしますよね？予防薬を普段から服用しているとは思いますが、万が一の場合でも保育士がけいれん止めを投与してはくれないんでしょうか？
娘の薬は注射器のようなもので、おしりから注入します。
もちろん、微熱があればすぐにでも迎えに行くつもりですが、保育士さんも子どもの微熱にすぐに気づいてくれるかわからないし、熱性けいれんってけいれんが起きてから熱に気づくことも多いですよね？
薬を預かってくれるところと預かってくれないところ両方あるにしても、やはり圧倒的に預かってくれないところのほうが多いんでしょうか？
1. 保育園・幼稚園における薬の取り扱い：現状と課題
保育園や幼稚園での子どもの薬の取り扱いについては、明確なルールが定められていない場合が多く、園によって対応が異なります。これは、保育士が医療行為を行うことに対する法的責任や、子どもの安全を守る上でのリスク管理、そして保護者とのコミュニケーションなど、様々な要素が複雑に絡み合っているためです。
1.1. 薬の預かりに関する一般的な傾向
- 原則として預かり不可：多くの保育園や幼稚園では、原則として薬の預かりや投与を行っていません。これは、保育士が医療従事者ではないため、薬の投与に関する法的責任を負うことを避けるためです。
- 条件付きで預かり可：一部の園では、医師の指示書や保護者の同意書がある場合に限り、特定の薬（アレルギー薬や頓服薬など）の預かりや投与を行うことがあります。ただし、その場合でも、保育士はあくまでも保護者の指示に従って薬を投与するだけであり、医療行為を行うわけではありません。
- 特別なケース：てんかんなどの持病があり、緊急時の対応が必要な場合は、園と保護者、医師の間で密接な連携を取り、特別な対応を検討することがあります。この場合、薬の投与方法や緊急時の対応について、詳細な取り決めを行う必要があります。
1.2. 保育士の立場と法的責任
保育士は、子どもの安全を守る責任を負っていますが、医療行為を行うことは、医師法に抵触する可能性があります。そのため、薬の投与を行うことには、法的リスクが伴います。また、薬の投与によって万が一、子どもの健康状態に問題が生じた場合、保育士は責任を問われる可能性があります。
このような背景から、多くの保育園や幼稚園では、薬の取り扱いについて慎重な姿勢をとっています。保護者としては、保育園や幼稚園の対応について理解を深め、万が一の事態に備えるための対策を講じる必要があります。
2. 熱性けいれんの既往がある子どものための対策
熱性けいれんの既往があるお子さんの場合、保育園や幼稚園での薬の取り扱いについて、特に注意が必要です。けいれん発作は、いつ、どこで起こるか予測が難しいため、保育園や幼稚園での対応について、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。
2.1. 事前の準備と情報共有
- 医師との相談：かかりつけ医に、保育園や幼稚園での対応について相談し、指示書や緊急時の対応について、具体的なアドバイスをもらいましょう。
- 園との連携：入園前に、園長や担任の先生と面談し、お子さんの病状や薬の必要性について説明し、園の対応について確認しましょう。
- 情報伝達：お子さんの病状や薬に関する情報を、園に正確に伝えましょう。薬の種類、投与方法、投与量、緊急時の対応など、詳細な情報をまとめた「お薬情報シート」を作成し、園に提出すると良いでしょう。
- 緊急連絡先の共有：保護者の連絡先だけでなく、緊急時の連絡先（親族や親しい友人など）も園に伝えておきましょう。
2.2. 薬の準備と保管
- 薬の準備：医師から処方された薬（けいれん止めなど）を、園に預ける必要があります。薬の種類、投与方法、投与量、使用期限などを確認し、園に提出しましょう。
- 薬の保管：薬は、園の指示に従って保管しましょう。通常、薬は子どもの手の届かない場所に保管されますが、緊急時にすぐに取り出せる場所に保管されているか確認しましょう。
- 薬の管理：薬の管理は、園の責任で行われますが、保護者も定期的に薬の状態を確認し、使用期限や保管状況に問題がないか確認しましょう。
2.3. 緊急時の対応
- 緊急時の連絡：お子さんにけいれん発作が起きた場合、園から保護者に連絡がきます。保護者は、速やかに園に駆けつけ、お子さんの状態を確認し、医師の指示に従って対応しましょう。
- 救急搬送：けいれんが長引く場合や、呼吸困難などの症状がある場合は、救急車を呼ぶ必要があります。園と保護者は、連携して救急搬送の手続きを行いましょう。
- 事後の対応：けいれん発作が起きた後、お子さんの状態を注意深く観察し、医師の診察を受けましょう。また、園と連携し、今後の対応について話し合いましょう。
3. 保育園・幼稚園とのコミュニケーションの重要性
保育園や幼稚園との良好なコミュニケーションは、子どもの安全を守る上で非常に重要です。保護者は、積極的に園とコミュニケーションを取り、お子さんの状態や薬に関する情報を共有し、連携して子どもの成長を見守る必要があります。
3.1. 定期的な情報交換
- 日々の連絡：お子さんの体調や様子について、毎日、園の先生と連絡を取り合いましょう。
- 面談：定期的に、園長や担任の先生と面談し、お子さんの成長や発達について話し合いましょう。
- イベントへの参加：園のイベントや行事に積極的に参加し、他の保護者や先生との交流を深めましょう。
3.2. 疑問や不安の解消
- 質問：薬の取り扱いについて、疑問や不安があれば、遠慮なく園に質問しましょう。
- 情報共有：お子さんの病状や薬に関する情報を、園に正確に伝えましょう。
- 協力：園の指示に従い、積極的に協力しましょう。
3.3. 園との信頼関係の構築
園との信頼関係を築くことは、子どもの安全を守る上で非常に重要です。保護者は、園の先生の意見を尊重し、積極的に協力することで、園との信頼関係を深めることができます。
4. 薬の預かりに関する代替案と工夫
保育園や幼稚園で薬の預かりが難しい場合でも、様々な代替案や工夫をすることで、子どもの安全を守ることができます。
4.1. 家族や親族の協力
- 祖父母の協力：祖父母など、家族や親族に、保育園や幼稚園への送迎や、緊急時の対応を依頼することができます。
- 親しい友人の協力：親しい友人や近隣住民に、緊急時の対応を依頼することができます。
- 地域のサポート：地域のファミリーサポートセンターや、病児保育サービスなどを利用することができます。
4.2. 医療機関との連携
- かかりつけ医の協力：かかりつけ医に、保育園や幼稚園での対応について相談し、緊急時の対応について、具体的なアドバイスをもらいましょう。
- 訪問看護：訪問看護サービスを利用し、自宅で薬の投与や、健康管理を受けることができます。
4.3. 園との交渉と合意形成
園との交渉を通じて、薬の預かりについて、柔軟な対応を検討してもらうことができます。医師の指示書や、保護者の同意書、そして緊急時の対応について、詳細な取り決めを行うことで、園の協力を得られる可能性があります。
ただし、園の対応は、園の状況や方針によって異なります。保護者は、園とのコミュニケーションを通じて、最善の解決策を見つける必要があります。
5. まとめ：子どもの安全を守るために
保育園や幼稚園での子どもの薬の取り扱いに関する問題は、保護者にとって大きな不安要素です。しかし、事前の準備と情報共有、園との良好なコミュニケーション、そして代替案や工夫を組み合わせることで、子どもの安全を守ることができます。
熱性けいれんの既往があるお子さんの場合、特に注意が必要です。医師との相談、園との連携、そして緊急時の対応について、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。
保護者の皆様は、この記事で得た情報を参考に、子どもの安全を守るために、積極的に行動しましょう。
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