2歳児の「帰りたがる」行動と発達に関する疑問：保育士・幼稚園教諭が知っておきたいこと
2歳児の「帰りたがる」行動と発達に関する疑問：保育士・幼稚園教諭が知っておきたいこと
この記事では、2歳11ヶ月のお子さんの行動に関するお悩みにお答えします。幼稚園に馴染めず、児童館でもすぐに帰りたがる息子さんの行動について、発達障害の可能性や、他の子どもとの関わり方について不安を感じているお母さん、お父さん、そして、保育士や幼稚園教諭の皆さんに向けて、具体的なアドバイスと情報を提供します。
２歳１１ヶ月の息子の事なんですが・・・・・
プレで通わせた幼稚園に馴染めず大泣き、その上、他の子供と関れない、保育の流れに乗れない等を指摘され、療育に行くように勧められ、現在はプレを辞めそちらに通っています。
発達障害等の判定はまだ出ておりません。
近所に子供がほとんどおらず、近所の公園に行っても貸切状態の地域に住んでいて、子供と関るのは小学２年のお姉ちゃんの友達やその兄弟姉妹だけといった感じです。
とはいえ、お姉ちゃんのクラスメイトも１６人しかおりません・・・。
そのためか、幼稚園で他の子供とどうコミュニケーションを取ったら良いのかわからなかったのではないかと、それ以降、良く児童館に連れて行く様にしています。
バスで３０分の場所にあるので、ちょっと遠いのです。
着くとすぐに遊び出し、色々なおもちゃ等が置いてあって結構広いのでそれなりに遊ぶのですが、３０分程でいつも「帰ろう」となってしまいます。
バスで３０分かけて来ているので、もうちょっと遊んでくれないかなぁ？と思うのですが、帰ろうと言い出すとまた遊びだすという事はありません。
上の娘は児童館等に行くと、そろそろ帰ろうと言っても全く帰ろうとしない子だったので、すぐに帰ろうと言う息子に疑問を持ってしまいます。
帰ろうと言っても帰らないタイプの子と、自分からさっさと帰ろうとなるタイプの子がいるのでしょうか？
それとも、発達障害を疑われているうちの息子独特の行動なのかと考えてしまいます。
みなさんのお子さんはどんな感じですか？
子どもの「帰りたがる」行動の背景にあるもの
2歳11ヶ月のお子さんが、児童館で30分ほどで「帰ろう」と言い出すことについて、様々な要因が考えられます。発達障害の可能性もゼロではありませんが、まずは様々な角度から原因を考察し、具体的な対応策を検討することが重要です。
1. 環境要因
お子さんの置かれている環境は、今回の行動に大きな影響を与えている可能性があります。具体的には以下の点が挙げられます。
- 人との関わりの少なさ: 近所に子どもが少なく、普段は年上のお姉ちゃんの友達としか接する機会がないとのこと。年齢の近い子どもとの遊びに慣れていないことが、児童館での行動に影響している可能性があります。
- 新しい環境への慣れ: 児童館という新しい環境にまだ慣れていないのかもしれません。初めての場所では、不安を感じてすぐに帰りたがる子どもも少なくありません。
- 移動の負担: バスで30分かけて行くという移動の負担も、子どもにとっては大きなもの。移動疲れから、すぐに帰りたくなってしまうことも考えられます。
2. 発達段階
2歳11ヶ月は、自己主張が強くなり、自分の感情を言葉で表現し始める時期です。以下のような発達段階特有の行動も考えられます。
- 自己主張: 「帰りたい」という言葉は、自分の意思表示であり、自己主張の表れである可能性があります。
- 集中力の持続時間: まだ集中力が長く続かない時期であり、30分程度で飽きてしまうこともあります。
- 安心感の希求: 慣れない場所では、安心できる場所（家など）に帰りたがることもあります。
3. 個性
子どもにはそれぞれ個性があり、性格や興味も異なります。以下のような個性が、今回の行動に関係している可能性もあります。
- 慎重さ: 新しい環境や状況に対して慎重な性格の子どもは、すぐに慣れず、不安を感じやすい傾向があります。
- 飽きやすさ: 特定の遊びに飽きやすく、すぐに他のことに興味が移る子どももいます。
- マイペースさ: 自分のペースで行動することを好む子どももいます。
発達障害の可能性について
発達障害の可能性を完全に否定することはできませんが、現時点では療育に通っているものの、まだ発達障害の診断は出ていないとのことです。発達障害の診断には、専門医による詳細な検査と評価が必要です。しかし、お子さんの行動の中に、発達障害を疑わせる特徴が見られる場合もあります。以下に、その可能性について解説します。
1. コミュニケーションの困難さ
他の子どもとの関わりが苦手、コミュニケーションの取り方が分からないといった点は、自閉スペクトラム症（ASD）に見られる特徴の一つです。ASDの子どもは、言葉の理解やコミュニケーションに困難を抱えることがあります。しかし、これはあくまで可能性の一つであり、他の要因も考慮する必要があります。
2. こだわり
特定の遊びに固執したり、特定の行動パターンを繰り返したりする「こだわり」が見られる場合、ASDの可能性があります。今回のケースでは、特定の行動は見られませんが、注意深く観察する必要があります。
3. 感覚過敏
音や光、触覚など、特定の感覚に対して過敏な反応を示す場合、ASDの可能性があります。児童館の騒音や人混み、おもちゃの質感などが、お子さんにとって不快な刺激となっている可能性も考えられます。
発達障害の可能性を判断するためには、専門医の診断が必要です。気になる点があれば、積極的に相談し、適切な検査を受けるようにしましょう。
具体的な対応策
お子さんの「帰りたがる」行動に対して、様々な対応策を試すことができます。以下に、具体的なアドバイスを紹介します。
1. 環境調整
お子さんが安心して過ごせる環境を整えることが重要です。
- 児童館への慣らし: 最初は短時間から始め、徐々に滞在時間を長くしていく。
- 事前の情報提供: 児童館の様子を写真で見せたり、どんな遊びができるのかを話したりして、事前にイメージできるようにする。
- 一緒に遊ぶ: 最初は親御さんが一緒に遊び、安心感を与える。
- 遊びの選択肢: 児童館にある様々なおもちゃや遊びの中から、お子さんの興味を引くものを見つけ、一緒に試してみる。
- 休憩スペース: 疲れたり、不安になったりしたときに、落ち着ける休憩スペースを確保する。
2. コミュニケーションの促進
他の子どもとの関わりを促す工夫も大切です。
- 遊びの誘い方: 他の子どもに話しかけやすいように、親御さんが手本を見せたり、一緒に遊ぶきっかけを作ったりする。
- ロールプレイ: ごっこ遊びを通して、コミュニケーションの練習をする。
- 言葉でのサポート: 困っているときに、「〇〇ちゃんに、一緒に遊ぼうって言ってみようか」など、言葉でサポートする。
- 少人数での交流: 最初は少人数で遊ぶ機会を設け、徐々に人数を増やしていく。
3. 肯定的な声かけ
子どもの自己肯定感を高めるような声かけを心がけましょう。
- できたことを褒める: 「〇〇できたね！すごいね！」など、具体的に褒める。
- 頑張りを認める: 「今日は〇〇に挑戦できたね！頑張ったね！」など、過程を褒める。
- 感情に寄り添う: 「悲しかったね」「寂しかったね」など、子どもの気持ちを理解し、共感する。
4. 療育との連携
療育に通っている場合は、療育の先生と連携し、家庭での対応についてアドバイスをもらいましょう。療育での学びを家庭でも活かすことで、より効果的なサポートができます。
5. 専門家への相談
もし、お子さんの行動について不安を感じる場合は、専門家（医師、臨床心理士、保育士など）に相談しましょう。専門家は、お子さんの状態を詳しく評価し、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
保育士・幼稚園教諭ができること
保育士や幼稚園教諭は、子どもの発達を支援する上で重要な役割を担っています。今回のケースのように、特定の子どもの行動に悩む保護者に対して、どのようにサポートできるのでしょうか。以下に、具体的なアドバイスを紹介します。
1. 保護者との連携
保護者とのコミュニケーションを密にし、子どもの状況を共有することが重要です。
- 情報共有: 子どもの園での様子を具体的に伝え、保護者と情報を共有する。
- 悩み相談: 保護者の悩みを聞き、共感し、寄り添う。
- 連携した対応: 家庭と園で同じ対応をすることで、子どもは安心感を得られる。
- 専門家への紹介: 必要に応じて、専門家（医師、臨床心理士など）を紹介する。
2. 環境の整備
子どもたちが安心して過ごせる環境を整えましょう。
- 安全な環境: 危険な場所がないか、安全に配慮した環境を整える。
- 遊びの工夫: 子どもの発達段階に合わせた遊びを提供し、興味を引く工夫をする。
- 個別の配慮: 特定の子どもに対して、個別の配慮を行う。例えば、静かな場所を用意したり、遊びのルールを分かりやすく説明したりする。
3. コミュニケーションの促進
子どもたちのコミュニケーション能力を育むための取り組みを行いましょう。
- 言葉がけ: 子どもたちの気持ちに寄り添い、適切な言葉がけをする。
- 遊びを通しての交流: 遊びを通して、子ども同士の交流を促す。
- ロールプレイ: ごっこ遊びを通して、コミュニケーションの練習をする。
- 集団遊びの導入: 集団遊びを通して、ルールを守ることや、協力することの大切さを教える。
4. 専門知識の習得
子どもの発達に関する知識を深め、専門性を高めましょう。
- 研修への参加: 発達障害や子どもの心理に関する研修に参加する。
- 情報収集: 最新の情報や知識を積極的に収集する。
- 専門家との連携: 専門家と連携し、子どもの状態について相談する。
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まとめ
2歳11ヶ月のお子さんの「帰りたがる」行動は、様々な要因が複雑に絡み合って起こる可能性があります。環境、発達段階、個性、そして発達障害の可能性など、多角的に原因を分析し、適切な対応策を講じることが重要です。保護者の方は、焦らずに、子どもの気持ちに寄り添い、様々な方法を試してみましょう。保育士や幼稚園教諭は、保護者との連携を密にし、子どもの発達をサポートできるような環境を整えましょう。専門家の意見を聞きながら、子どもたちが安心して成長できる環境を共に作っていくことが大切です。
今回のケースでは、お子さんの行動について、発達障害の可能性を完全に否定することはできません。しかし、現時点では療育に通っているものの、まだ発達障害の診断は出ていないとのことです。発達障害の診断には、専門医による詳細な検査と評価が必要です。気になる点があれば、専門家に相談し、適切な検査を受けるようにしましょう。
また、お子さんの行動に対して、焦らず、様々な対応策を試すことが大切です。環境を整え、コミュニケーションを促進し、肯定的な声かけを心がけましょう。療育との連携も重要です。そして、専門家への相談も積極的に行いましょう。これらの取り組みを通して、お子さんが安心して過ごせる環境を整え、健やかな成長をサポートしていきましょう。
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