甥のニート脱出大作戦！親族間の複雑な事情を乗り越え、就職を成功させるには？
甥のニート脱出大作戦！親族間の複雑な事情を乗り越え、就職を成功させるには？
以下のようなご相談をいただきました。
私と姉には息子が２人ずついます。姉の次男と私の長男は同学年です。私の次男と私は高機能自閉症です。次男が9歳の時にわかりました。その時私は迷わず教育機関へ伝えました。そもそも、ずっとおかしいと思って色々な検査をしても、漠然とおかしい子供ということしかわかりませんでしたが、偶々校長先生が読んでいた本の内容が当てはまると言われ、自閉症に絞って調べてもらい発覚しました。ですから学校への報告は至極当たり前でした。その時姉は私を非難しました。その翌々年、姉の夫の妹がダウン症の子供を産みました。その時姉は『バカ娘だから障害のある子供が生まれる』と私に言って、違う旨説明しましたし、絶対義兄や義兄家族に言うなと釘を刺しました。
このことでも姉が障害者へのあからさまな軽蔑を感じます。ですが、姉の長男は幼稚園から、多動と対人に問題ありで病院行きを勧められ通院してました(これは隠されて私が自閉症とわかった時に、姉の子供もかもと言った時『病院なら通ったわよ』と告白されました) 姉の長男は、小学校入学時基礎学力がやや足りなく支援学級になる予定を姉がごり押しして普通学級になったのも同時に聞きました(姉の説ではちょっとだけお馬鹿なだけらしい)。
それから５年後姉の長男は就職しました(高校は底辺と言われる高校で、中の下でしたが、きちんと卒業しました)。ですが、間もなく自傷行為を繰り返して姉が退社させました。その日からニート生活で、姉は病院に『働けるか検査しろ』と連れて行き、最終的に自閉症(軽度知的障害あり)と判断されました。
姉はその全てを私に隠し、きちんと働いていると言ってます。妹の私にもそうなんで、今現在姉は長男を平日昼間は絶対外に出るなと言っています。自傷行為などはないらしいですが、先日母にその告白をされ、姉の長男が可哀想と泣かれました。姉は絶対に私の話は聞かない人間ですが、私も甥が可哀想です。どうしたらよいと思いますか？因みに監禁とかではなく、『厳命』なだけだし、夜や休日は外に出てます。
ご相談ありがとうございます。ご自身の甥御さんの将来を案じ、親族間の複雑な関係性に悩みながらも、甥御さんの自立を願うお気持ち、大変よくわかります。今回は、ニート状態にある甥御さんが、自立した生活を送れるようにするための具体的なステップと、親族間の問題を乗り越えるためのヒントを、キャリアコンサルタントの視点から解説していきます。
1. 現状の理解と問題点の整理
まず、現状を客観的に理解し、問題点を整理することから始めましょう。今回のケースでは、以下の点が主な問題点として挙げられます。
- 甥御さんの現状: 軽度の知的障害を伴う自閉症であり、過去に自傷行為を経験。現在はニート状態で、就労経験はあるものの、長続きしなかった。
- 母親（相談者の姉）の対応: 甥御さんの障害を隠蔽し、現実から目を背ける傾向がある。甥御さんの就労を妨げるような言動も見られる。
- 親族間の関係性: 相談者と姉との間には、障害に対する考え方の違いから生じる対立がある。コミュニケーション不足も問題。
これらの問題点を踏まえ、甥御さんの自立を阻む要因を具体的に分析し、解決策を検討していく必要があります。
2. 甥御さんのための具体的なステップ
甥御さんが自立した生活を送るためには、以下のステップを踏むことが重要です。
ステップ1: 正確な状況把握と本人の意思確認
まずは、甥御さんの現在の状況を正確に把握することから始めましょう。具体的には、以下の情報を収集します。
- 障害の程度: 軽度知的障害の具体的な程度、自閉症の特性（コミュニケーション能力、対人関係、興味・関心の偏りなど）を把握する。
- これまでの就労経験: どのような仕事をして、なぜ辞めたのか、具体的な理由を本人から聞き出す。
- 現在の希望: どのような仕事に興味があるのか、どのような働き方をしたいのか、本人の意思を確認する。
- 生活状況: 日常生活での困り事、得意なこと、苦手なことを把握する。
これらの情報を収集するために、専門機関（精神科医、臨床心理士、キャリアコンサルタントなど）の協力を得ることも有効です。専門家によるアセスメントを受けることで、より客観的な状況把握が可能になります。
本人の意思確認の重要性: 甥御さんの自立を支援するためには、本人の意思を尊重することが不可欠です。本人がどのような働き方をしたいのか、どのような目標を持っているのかを理解し、一緒に目標設定を行うことが重要です。
ステップ2: 就労支援サービスの活用
障害のある方の就労を支援するサービスは、数多く存在します。これらのサービスを活用することで、就職活動をスムーズに進めることができます。
- 就労移行支援事業所: 就職に必要な知識やスキルを習得するための訓練（ビジネスマナー、PCスキル、コミュニケーションスキルなど）や、就職活動のサポート（求人情報の提供、面接対策、履歴書・職務経歴書の作成支援など）を行います。
- 就労継続支援事業所: 雇用契約を結び、企業での就労が困難な方に対して、就労の機会を提供します（A型：雇用型、B型：非雇用型）。
- 障害者職業センター: 職業相談、職業評価、職業準備支援、職場適応援助など、幅広いサービスを提供しています。
- ハローワーク: 障害者専門の窓口があり、求人情報の提供や職業相談、就職支援などを行います。
これらの就労支援サービスを利用することで、専門家によるサポートを受けながら、自分に合った仕事を探し、就職することができます。
ステップ3: 適切な仕事選びと職場定着支援
障害のある方が就職を成功させるためには、自分に合った仕事を選ぶことが重要です。以下の点を考慮して、仕事を選びましょう。
- 本人の特性に合った仕事: 興味・関心、得意なこと、苦手なことを考慮し、無理なく働ける仕事を選ぶ。
- 障害への理解がある職場: 障害に対する理解があり、合理的配慮をしてくれる職場を選ぶ。
- 働きやすい環境: 通勤時間、労働時間、仕事内容など、働きやすい環境を選ぶ。
就職後も、職場定着支援を受けることが重要です。職場定着支援とは、就職後も安定して働き続けられるように、職場での悩みや困り事について相談に乗ったり、必要なサポートを提供したりするサービスです。就労支援機関や障害者職業センターなどが、職場定着支援を行っています。
ステップ4: 家族の理解と協力
甥御さんの自立を支援するためには、家族の理解と協力が不可欠です。特に、母親である姉の理解と協力は重要です。姉に対して、以下の点を伝え、理解を求めましょう。
- 甥御さんの現状と課題: 甥御さんの障害の特性、ニート状態であることによる課題などを具体的に説明する。
- 自立支援の必要性: 甥御さんが自立した生活を送るためには、就労支援の活用や家族の協力が必要であることを伝える。
- 偏見や誤解の解消: 障害に対する偏見や誤解を解き、正しい理解を促す。
- 協力体制の構築: 甥御さんの就労支援について、一緒に情報収集したり、相談に乗ったりするなど、協力体制を築く。
姉とのコミュニケーションが難しい場合は、第三者（専門家、親族など）を交えて話し合うことも有効です。専門家は、客観的な視点からアドバイスをしたり、両者の間を取り持ったりすることができます。
3. 親族間の問題解決のためのヒント
親族間の問題を解決するためには、以下の点を意識しましょう。
- 冷静なコミュニケーション: 感情的にならず、冷静に話し合うことを心がける。相手の意見を尊重し、理解しようと努める。
- 相手の立場を理解する: 姉のこれまでの言動には、何か理由があるはずです。姉の立場や心情を理解しようと努めることで、対立を緩和できる可能性があります。
- 専門家の活用: 家族関係の問題は、当事者だけで解決するのが難しい場合があります。専門家（カウンセラー、ソーシャルワーカーなど）に相談し、アドバイスを求めることも有効です。
- 長期的な視点: 問題解決には時間がかかる場合があります。焦らず、長期的な視点を持って、粘り強く取り組むことが重要です。
具体的なコミュニケーションの工夫:
- 相手の言葉に耳を傾ける: 相手が何を伝えたいのか、じっくりと耳を傾けましょう。
- 自分の気持ちを伝える: 自分の気持ちを正直に伝えましょう。ただし、相手を非難するような言い方は避け、穏やかな口調で話しましょう。
- 共通の目標を設定する: 甥御さんの自立という共通の目標に向かって、協力体制を築きましょう。
- 感謝の気持ちを伝える: 相手に感謝の気持ちを伝えることで、良好な関係を築くことができます。
4. 成功事例と専門家の視点
以下に、ニート状態から就職を成功させた方の事例と、専門家の視点をご紹介します。
成功事例1: 20代男性、軽度知的障害、ニート期間3年
- 状況: 高校卒業後、就職したが人間関係がうまくいかず退職。その後、ニート状態に。
- 支援内容: 就労移行支援事業所に入所し、ビジネスマナー、PCスキル、コミュニケーションスキルなどを習得。企業実習を通して、自分に合った仕事を見つける。
- 結果: 障害への理解がある企業に就職し、現在も安定して就労中。
- ポイント: 専門家のサポートを受けながら、自分に合った仕事を見つけることができた。
成功事例2: 30代女性、自閉スペクトラム症、ニート期間5年
- 状況: 大学卒業後、就職したが、人間関係の難しさから退職。その後、ニート状態に。
- 支援内容: 障害者職業センターで職業相談を受け、自己分析や適性検査を通して、自分の強みや弱みを理解。企業実習を通して、事務職への適性を見出す。
- 結果: 障害への理解がある企業に事務職として就職し、現在も安定して就労中。
- ポイント: 専門家によるサポートを受けながら、自己理解を深め、自分に合った仕事を見つけることができた。
専門家の視点:
「ニート状態にある方が就職を成功させるためには、まず本人の意思を尊重し、自己理解を深めることが重要です。その上で、専門家のサポートを受けながら、自分に合った仕事を見つけ、職場定着支援を受けることが大切です。家族は、本人の自立を支えるために、理解と協力を惜しまないことが重要です。」（キャリアコンサルタント A氏）
5. まとめと具体的な行動計画
甥御さんのニートからの脱出と自立を支援するためには、以下のステップを実行しましょう。
- 現状把握: 甥御さんの障害の程度、就労経験、現在の希望、生活状況などを把握する。
- 就労支援サービスの活用: 就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、障害者職業センター、ハローワークなどのサービスを利用する。
- 仕事選び: 本人の特性に合った仕事、障害への理解がある職場、働きやすい環境を選ぶ。
- 職場定着支援: 就職後も、職場定着支援を受ける。
- 家族の理解と協力: 姉に甥御さんの現状と課題を説明し、自立支援の必要性を伝え、協力体制を築く。
- 親族間の問題解決: 冷静なコミュニケーション、相手の立場を理解する、専門家の活用、長期的な視点を持つ。
これらのステップを実行することで、甥御さんの自立を支援し、より良い未来を切り開くことができるはずです。困難な状況ではありますが、諦めずに、甥御さんのためにできることを一つずつ実行していきましょう。応援しています。
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6. 付録：就労支援サービスに関する情報
以下に、就労支援サービスに関する情報をまとめました。これらの情報を参考に、甥御さんに合ったサービスを探してみてください。
- 就労移行支援事業所:
- 目的: 就職に必要な知識やスキルを習得するための訓練（ビジネスマナー、PCスキル、コミュニケーションスキルなど）や、就職活動のサポート（求人情報の提供、面接対策、履歴書・職務経歴書の作成支援など）を行う。
- 対象者: 就労を希望する18歳以上65歳未満の障害のある方（原則として、障害者手帳の有無は問わない）。
- 利用期間: 原則2年間。
- 費用: 原則1割負担（所得に応じて減免あり）。
- 就労継続支援事業所:
- 目的: 雇用契約を結び、企業での就労が困難な方に対して、就労の機会を提供する（A型：雇用型、B型：非雇用型）。
- 対象者: 就労移行支援事業所を利用しても一般企業への就職が困難な方、または、一般企業での就労経験があるが、現時点では雇用継続が難しい方など。
- 利用期間: 制限なし。
- 費用: サービス利用料は無料の場合が多いが、昼食代や光熱費などの実費負担が必要な場合がある。
- 障害者職業センター:
- 目的: 職業相談、職業評価、職業準備支援、職場適応援助など、幅広いサービスを提供。
- 対象者: 障害のある方、障害のある方の雇用を考えている事業主、その他関係機関。
- 利用期間: サービス内容によって異なる。
- 費用: 無料。
- ハローワーク:
- 目的: 求人情報の提供、職業相談、就職支援など。障害者専門の窓口がある。
- 対象者: 職業に就きたいすべての方。
- 利用期間: 制限なし。
- 費用: 無料。
これらの情報を参考に、甥御さんに合った就労支援サービスを探し、積極的に活用しましょう。
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